銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン

隔週水曜19:00-20:00ON AIR
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PROFILE

キュレーター/アーティスト
大地 千登勢

大学生時代よりHP FRANCE にてフランソワーズ・セーグル・キャロル氏に師事し、バイヤーとして活動。2003年~2007年夏まで、hpgrp GALLERY TOKYO(銀座)の立ち上げから、プロデューサー兼バイヤーとして携わる。2004年、アート・ジュエリーを扱う「O-Jewel」というブランドを立ち上げ、2007年より、建築家の黒川雅之氏が主宰するK&Kにて同ブランドの活動を始める。Barocco 2009, NISHIJIN 2010などの世界のアーティストに参加してもらうコンセプト型アート・ジュエリーの展覧会やプロデュースを手がける。
アートやアートジュエリー、デザインの分野を横断し新しい側面を開拓するため、東洋、西洋の文化を融合し、ユニークな美意識を通して次なる世界を作り出している。2015年より「九州・平戸の和菓子を世界に」というテーマで平戸の老舗の和菓子屋とプロジェクトがスタート。2月にオランダで第一回目の企画を展開予定。

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RADIO REPORT

vol.152016.01.1519:00-20:00

大地千登勢 × 山崎晴太郎

山崎
ソラトニワ銀座をお聞きの皆さん、こんばんは。アートディレクター、デザイナーの山崎晴太郎です。本日のゲストは、またまた、これまでにないジャンルの方です。それではゲストの方をお迎えいたしましょう。キュレーター、アーティストの大地千登勢さんです。こんばんは。
大地
こんばんは。お久しぶりです。
山崎
お久しぶりですね。まずは、大地さんをご紹介させていただきす。大学時代より「H.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)」にてフランソワーズ・セーグル・キャロル氏に師事し、バイヤーとして活動されていました。H.P.groupのGALLERY TOKYO(銀座)の立ち上げから、2003年から2007年の夏までプロデューサー兼バイヤーとして関わっていらっしゃったということですね。また、2004年にアート・ジュエリーを扱う「O-Jewel」というブランドを立ち上げ、2007年より建築家の黒川雅之さんが主宰するK&Kにて同ブランドの活動をはじめられました。2015年からは、「九州・平戸の和菓子を世界に」というテーマで、平戸の老舗の和菓子屋さんとのプロジェクトを進めている方です。

フランソワーズとの出会い。

山崎
いろいろとやられていますね。
大地
はい。やっていることが、10年ごとに変わっていくので。
山崎
今日も素敵なジュエリーを着けていらっしゃいますけど、もともとは、アート・ジュエリーをずっとやられていたわけですよね。アート・ジュエリーを手がけるようになったきっかけはなんだったんですか?
大地
もともと「H.P.FRANCE」というブランドにでやっていたのが、フランスの文化を日本に伝える、ということだったんですね。「H.P.FRANCE」は、どちらかと言うとファッションの会社なんですが、そこでずっとやっていくなかで、ファッションというか、変わっていくものというのがちょっと信じられなくなって…。それで、「自分が好きなもので、変わらないものはなんだろう?」と探した時に、アート・ジュエリーというものがあることを知ったんです。
山崎
アート・ジュエリーって、聞いている方々はあまり馴染みがない言葉だと思うんですけど、簡単に説明してもらってもいいですか?
大地
はい。すごく簡単に言えば、貴金属やダイヤモンド、ゴールド…、そういう素材の価値ではなくて、つくり手の思想や考え方に価値を置くジュエリーですね。
山崎
アートピースとしてのジュエリーということですか?
大地
そうそうそう。
山崎
なるほど。H.Pでフランソワーズさんに師事されたということですが、最初の出会いは、どんな感じだったんですか?
大地
私が大学3年の時に、H.Pに「面接してください」って訪ねて行って、そこにちょうど彼女がいたんですよね。彼女は、フランスと日本を行き来していて。最初は圧倒されたけれど、でも、お母さんみたいな雰囲気もある人で。「フランスのママ」という感じで育ててもらいました。素敵な女性だったんですけど、2012年に亡くなられてしまって…。
山崎
会った瞬間に、「一瞬にして惹き込まれた」みたいな感覚ですか?
大地
いや、第一印象は怖かった…。
山崎
怖いんですか?
大地
フランス人女性ですもの。怖い、怖い(笑)。
山崎
なるほど。でも、その人に付いていきたいと思った?
大地
彼女のセンスだったり、風貌というのが、とっても神がかっていて。やっぱりすごいなと思ったのね。「彼女のようになりたい」っていう想いがすごくありました。
山崎
憧れだったということですね。ちなみに、アート・ジュエリー自体は、フランソワーズさんに教えてもらったわけではないんですよね?
大地
そう。彼女には、フランスの文化の考え方を習いましたね。
山崎
そうすると、どこかでフランソワーズさんに教えてもらったことと、アート・ジュエリーというものがリンクしている部分もあるんですか?
大地
そうだと思う。フランソワーズという人に出会って、文化に対する下地ができあがって、それから自分の道を歩いていった、という感じですね。
山崎
その一歩目がアート・ジュエリーだったわけですね。ちなみに、フランソワーズさんに会って、学んだことや特に心に残っていることはなんですか?
大地
フランソワーズにとって、とにかく私はだめな子だったんですよ。私が、いつもものすごく慌てているから、「バタフライ」って言われていたんだけど(笑)。本当にほら、フランス人女性って口も悪いし、強いから。
山崎
そうなんですか?
大地
そう。いつも喧嘩になるんだけど。どんなに喧嘩している相手にも、ちゃんと「おはよう」と言ってくれるし、「元気?」って聞いてくれるし、仕事以外ではものすごく人あたりがいいと言うか…。そういうあたたかさを持っている人で、なんて言うんでしょう?愛情が深い人だった。愛情がいろいろな意味で深すぎて、大変な人だったと思う。
山崎
情が深すぎて、とがっているところもあるし?
大地
そうそう。子どもみたいなところもあるし、でも、すごく年を重ねた人のようなところもあるし。すごかったよ。私、フランス語はだいぶ忘れちゃったけど、汚い言葉は全部覚えてるもん。フランソワーズがよく言っていたから(笑)。彼女とは、5年ぐらいは一緒に仕事をしていたかな。

思想や哲学を表現するためのアート・ジュエリー。

山崎
アート・ジュエリーというジャンルは、世界的には知名度があって、価値も認められていますよね?ルーブル美術館にもアート・ジュエリーの作品があったりして。最近のアート・ジュエリーは、世界的にはどういう兆候があるんですか?
大地
アート・ジュエリーは現代アートなので、戦後の流れなんですね。戦前は、貴金属がジュエリーって言われていたでしょう?それを打ち壊すために、「どんなものでも、ジュエリーなんだよ」という流れができて。その流れで、最近また「きちんとつくられたものっていいよね」というふうになってきていますね。
山崎
なるほど。クラフト回帰みたいな流れなんですか?
大地
それは、今のアート界と一緒なんだと思うんだけど。やっぱり、飽和してきているんだよね。
山崎
行き場がなくなってしまっている感じですか?
大地
そうそう。戦後は経済もよくて、アートの世界も一気に盛り上がったんだけど。今は、ヨーロッパの経済が低調になってしまって、つくり手だった人たちも年をとってしまったし、コレクターたちも年をとってしまった…。優れた若いコレクターが全然いないし、時代とともにいいものを見る目を持った人もいなくなってしまって…。そんな中で、「これからどういう形にシフトしていくのか?」という変わり目の時だと、まさに思いますね。
山崎
なるほど。
大地
最近、庭園美術館でオットー・クンツリという、アート・ジュエリー界ではすごく有名な人の展覧会をやったんですよ。彼が日本でやるということは、アート・ジュエリーが少しずつみんなに知られてきたということかもしれないですね。
山崎
アート・ジュエリーに対して、日本も結構変わってきたなという感じはありますか?
大地
日本はね、悪くなってきている。
山崎
それはどういうふうに?
大地
ジュエリーってやっぱり、つくる人よりも、身に着ける人がどれだけ成熟しているかが重要なんですね。自分のスタイルを確立していたり、自分の思想や哲学がある人じゃないとやっぱり身に着けられなくて。日本では、どうしてもコンサバティブで、小さくて、あまり目立たないものが選ばれがちですけど、アート・ジュエリーは「自分を表現します」というためのものだから、なかなか難しいんですよね。今はほら、洋服も、みんなそんなに突出したのを着たがらないでしょう?それと一緒なんだと思う。
山崎
プレタポルテ至上主義みたいなところはありますよね。ところで、ジュエリーの定義ってなんですか?
大地
ジュエルっていう言葉が、「大切な人」とか「大切なもの」という意味だから、その人にとって価値があるもの、つくり手にとって価値があるもの、ということだと思いますね。だから、哲学とか思想が大事で。
山崎
なるほど。精神性がつながらないとだめだということですね。これまで、大地さんが一番共感した、思い出に残っているアート・ジュエリーはどんなものですか?
大地
それはね、今日身に着けてきたものなんですけど。長野さんといって、もともと日本画をやられていた方の作品です。もう結構年輩の方なんだけれども、すごくチャーミングで、日本よりもヨーロッパで知られている方です。彼女は、まだ、時代を闘っている人ですね。最近の日本のいろいろなことを憂いて闘っている人です。
山崎
なるほど。それは、自分の中の共感ポイントと言うか、その思想に共鳴した、共振した作家さんという感じなんです?
大地
やっぱり、その人が好きだから選びますね。「人に惚れる」という感覚と一緒です。
山崎
そうすると、今この話を聞いて、アート・ジュエリーに興味を持った人は、やっぱりつくる人を知って、作品を選んでほしいということですか?
大地
結局、そうだと思うんですよね。先ほどの長野さんも、私にとって憧れの人で。すごく上品で、すごくエレガントなんだけど、ものすごく芯の強いものを持っていらっしゃって。自分が最後にやれることっていうのを、ちゃんと見据えていらっしゃる。そこがすばらしいと思っています。
山崎
なるほど。先ほどのフランソワーズさんの話もそうなんですけど、憧れというものが大地さんの強い原動力になっているんですね。
大地
それは大きいですね。素敵な女性に出会って、そうなりたいと思うんでしょうね。

どんな企画にも、「私」が入り込む。

山崎
大地さんはこれまで、イベントとか展覧会とか、いろいろな企画をやられてきたと思うんですが、はじめてやられた企画はどのようなものでしたか?
大地
それはね、もう14年くらい前なんだけど。10人ぐらいの女性にバレリーナの格好をしてもらって、銀座の街を練り歩いたことがあって。
山崎
今でいう、フラッシュモブみたいな?
大地
そう。すごかったんだけど、あの頃は早すぎて誰もわかってくれなかった、という…(笑)。それは、オランダ人のアーティストがふたり来日することになって、急遽、「彼らの展覧会をやろう」ということで企画したんですけど。
山崎
いろいろなものをやられていますが、そういう企画はどういうプロセスでつくっていくものなんですか?人がいて、自分のお眼鏡に適うなにかがあって、「これを誰かに伝えたいな」とか「これでおもしろいことをやりたいな」というような感じですか?
大地
そうそう。自分の中になにかコンセプトがある時と、その人に会ってコンセプトが浮かぶ時があって。それを組み立てていく感じかな。
山崎
なるほど。大地さんを見ていると、なにかものがあって、「それをそのまま伝えている」という感じがしないんですよ、いつも。すばらしい作品があって、そこになにかしら自分というものが介入しているというか、大地さんによって上書きがされているというか…。
大地
そうですね。意識としては、私もアーティストとして、その中に入っている感じで。だから、もしかして彼らがつくった意図通りではないことを、私が持ってきてやっているかもしれないし、なにか別のものをつくり上げてしまっているかもしれない。
山崎
ご自身でもおっしゃったように、本来の作品の意図と、違うところに落ち着く場合もあるじゃないですか?要は、種になった人とか作品が行きたい方向性と、ちょっと違うバイアスがかかってくる、みたいな。そこは、最終的にどうやって折り合いをつけているんですか?
大地
もう、そのままそう出しちゃう。展示会をつくるにあたって、バジェットとか、売れることとか、いろいろな重要なことはあるんだけど、私の場合はやっぱり、「いかに思いが伝わるか」というところを優先するので。
山崎
なるほど。かなりマイウェイ的なやり方ですね。そういうノウハウというのは、誰かに教わったわけでもないんですよね?
大地
そうなんですよ。もう全部、自分で開拓してきましたね。
山崎
大地さんは、いろいろなアーティストの方とコラボレーションをしながら、作品をつくられたりもしていますよね。そういう時は、どのような進め方をするんですか?たとえば、なにかしらのアイデアのネタだけを渡して、ある程度は自由にやってもらうとか。でも、同じようなネタから、同じような発想のものばかりが生まれても困りますよね?
大地
だいたい、人を見ていると、「この人は、こういうものをつくる」というのがわかるから、最終的に似てしまうようなチョイスはしないですね。本当だったら会いに行って、「こういうことをやるから」って直接説明したいんですけど、予算がない時はメールでコンセプトを投げて「つくってください」というやりかたをしていますね。ただ、年に1、2回会う時に、「彼らが今、どういう状況にあるのか」というのを見て、それを持ち帰って組み立てていきます。
山崎
なるほど。コラボレーションをして展覧会を開く時に、ひとつずつの作品から伝わるメッセージと、それらが集合知になって伝わるメッセージって、当然違いますよね?それは、どちらに重きを置いて企画を進めていくんですか?
大地
考えたことはなかったですけど、全ての作品が集合して意味合いが出てくることが多いですね。それはたぶん、「私」というものが入ってきちゃうからなんだと思います。
山崎
僕もいろいろと大地さんの展示を見せてもらいましたが、大地さんにとって今までで一番思い出に残っている展示はありますか?
大地
去年やった「Thinking Through Eating」という展示ですかね。マキオカモトさんというスウェーデンに住んでいる女性が、カトラリーを使ってジュエリーとオブジェをつくってくれて、その展示がすごくよかったんです。
山崎
それは、どういった展示だったんですか?
大地
カトラリーというのは道具なので、「道具を使うということはなんなんだろう?」とか、「それを持った時に人はどう思うんだろう?」とか、そういう部分を出していきたいと思ったんですね。それで、ギリシア神話に基づく7人の女神がクリスマスに集まって、ひとつのスウェーデンのトラディショナルなケーキを食べる、という企画を立てたんです。
山崎
なるほど、カトラリーを使って食べるんですね。先ほどの話で言うと、その「食べるための道具を考える」といったコンセプトは、もともと作家さんが持っていたものなんですか?
大地
それは、彼女が持っていたコンセプトではあるのだけど、やっぱり私は、そこに上乗せしていく形で考えていくんですね。
山崎
これまでの活動や現在手がけている活動を見ても、それらの歴史的な部分の掘り下げ方が尋常じゃないですよね?なにかを掘り下げていく時というのは、コンセプトがあって、それに向けて掘っていくんですか?それとも、ある程度の余白を持って、掘り下げていくうちに浮かび上がってきたものでコンセプトをつくっていくんですか?
大地
そこはいつも苦しむところなんですけど。最初は「これだ!」と思ったところを探りにいくんですけど、たいていもっとおもしろい部分が見つかっちゃって、そっちに進んでいくことが多いです。
山崎
よりよいものとか、刺激があったら、それをどんどん上書きしていくという感じなんですかね?
大地
そうですね。時間がないからここで終わらせる、ということはしないです。

美を求めて辿り着いた、人生の大航海時代。

山崎
これまでも、いろいろな企画をやられてきたと思いますけど、大地さんの中で、それは線としてつながっているんですか?それとも、それぞれが点として存在しているイメージですか?
大地
そこはやっぱり、もうひとつの大きなコンセプトが自分の中に見えていて。それはビューティー、つまり美なんですね。だから、どんな企画をやっても、そこだけはブレない。
山崎
いろいろな美の形を探しているということですね。ちなみに今は、どんなことをやられているんですか?
大地
今一番熱をあげているのは、九州の平戸のプロジェクトです。平戸島、知ってますか?
山崎
もちろん、もちろん。歴史の授業で習いましたね。
大地
そうそう。そこで平戸のお菓子を世界に発信していこうというプロジェクトをやっていて。
山崎
へぇ。平戸のお菓子って、どんなお菓子なんですか?
大地
平戸ってね、すごくおもしろいところで。出島以前に、西洋の人たちがはじめて来たところなんです。出島はほら、鎖国だったから、入れる国も限られていたんだけど、平戸はイギリス人からボルトガル人からアジア人まで、みんなが一緒に過ごしていたんですよ。それで、日本ではじめての西洋建築、オランダ商館というのが建ったのも平戸なんです。1600年頃に。
山崎
そうなんですね。
大地
そういう場所だったから、いろいろなものがヨーロッパから一番最初に届いたわけですよ。タバコだったり、あらゆるものが。その中に砂糖とお菓子があったの。
山崎
なるほど。
大地
だから平戸には、江戸時代からポルトガルのお菓子みたいなものがあって
山崎
へぇ。具体的にはどういったお菓子なんですか?
大地
たとえば、カステラを揚げたようなお菓子ですね。その記録が今でも、『百菓之図』という100のお菓子が書かれた図鑑として残されていて。それは、平戸の松浦家のお殿様が江戸時代後期にまとめたものなんですね。その中には、更紗とかアジアの影響を受けているものだったり、ヨーロッパのカスドースだったり、色が真っ青なお菓子だったり、明らかに異国の匂いがプンプンするお菓子が描かれていて。じゃあ、これをもとに、「もう一回新しい平戸のお菓子というのをヨーロッパや世界に伝えましょう」ということを、今の松浦家のお殿様と一緒にやっているんです。
山崎
それは今も、どこかで食べられるんですか?
大地
それを、これからやろうと思っていて。とりあえず、2017年にオランダ茶会という企画をやろうと計画していて。先にオランダで食べてもらって、それを皮切りに東京でも食べられるようにしていきたいなと思っています。
山崎
なるほど。平戸のお菓子の話って有名なんですか?
大地
歴史好きな人の中では有名だし、『百菓之図』も結構知られていて、いろいろな日本の料理家の人がアプローチしてきたんだけど、これまでは今の松浦家のお殿様が許してくれなかったんですね。だけど、私はヨーロッパでやるということもあって、お許しをいただいて。
山崎
へぇ。まさに開国ですね。それは、オランダに100品持っていくんですか?
大地
『百菓之図』のお菓子をそのまま再現するというよりは、それをアイデアにして、いろいろなことを今組み立てている最中で。ひとつは、オランダのアーティストにつくってもらう。『百菓之図』からインスピレーションを受けて、あと平戸にも来てもらって。
山崎
それはジュエリーじゃなくてお菓子をつくるんですか?
大地
そう、お菓子。ジュエリーではなくてお菓子をつくってもらうというプロジェクトを3年がかりで、今やろうと思っているところです。
山崎
じゃあ、これからいろいろな形で可視化されていくプロジェクトということですね。
大地
そうですね。お菓子を概念的にとらえれば、べつに食べられるものだけじゃなくてもかまわない。お菓子ってほら、五感で感じるものでしょ、美意識とか。だからやっぱり、感受性とかが豊かなことっていうのは、アート・ジュエリーともつながる部分があって。だから、オランダで、お菓子をテーマにジュエリーで表現してもらおうというプロジェクトも走っていて。
山崎
そっちのアプローチもあるんですね。
大地
そうなんです。これは、今年の2月に「MONO JAPAN」というところで発表するんですけど。概念でとらえて、まず「お菓子とはなんぞや?」っていうところからやりはじめています。

心が動く瞬間を、ひとりでも多くの人に。

山崎
平戸のお菓子の話って、非常におもしろいプロジェクトだと思うんですけど、こういう企画って、どうやってはじまるんですか?
大地
最初は、「HOLLAND JAPONISM」に興味を持ったことがきっかけだったんですね。そこを深掘りしたいと思っていた時に、「それだったら、平戸がいいんじゃない?」と紹介してくださった方がいて。それで実際に行ってみたら、すごくいいところで、人もオープンマインドなんですね。でもね、やっぱり「こんな離れ島でHOLLAND JAPONISMをやっても誰が来てくれるの?」と思った時に、その『百菓之図』に出会ったんですね。
山崎
なるほど。
大地
「どうせやるんだったら、島の人たちに喜んでもらえるものじゃないとやる意味がない」と思っていたので、勝手に企画をつくってオランダ大使館に持っていき、その後、松浦のお殿様に持っていきっていう、そういう流れですね。
山崎
そのエネルギーがすごいですね(笑)。ちなみに、先ほどから言われているお殿様って、今はなにをやられている方なんですか?
大地
家元です。松浦家というのは、松浦鎮信という人が武家茶を開いた家で、今もご宗家でいらっしゃる。お殿様は、もともとNHKの国際部にいらっしゃった方なので、英語もペラペラです。
山崎
そうなんですね。平戸のプロジェクトは、息の長いものになっていくと思うんですけど、途中経過をどこかでチェックできたりするんですか?
大地
実は、今日ちょうどWEBサイトあがりました。candheart.comというドメインで。そこに、「MONO JAPAN」というコンテンツがあがっています。
山崎
なるほど。では、最初に見られるとしたら、その「MONO JAPAN」というところですかね。ちなみに、これからアートを通じて実現したいこととか伝えたいこととか、なんかありますか?
大地
心が動く瞬間を、いろいろな人に伝えていけたらなと思っています。小さいお子様からお年寄りの方まで、皆さんがなんでもいいから、ぐっとくるものを。それは、「嫌い」という感情でもいいから、なにか心を揺さぶるものをと思いますね。
山崎
なるほど。それでは最後にリスナーの方にメッセージをお願いします。
大地
「Create your own beauty」です。
山崎
「全ては美のために」ということですね。ありがとうございました。
大地
はい、ありがとうございました。
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