銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン

隔週水曜19:00-20:00ON AIR

EVENT REPORT

vol.142015.12.1119:00-20:00

haruka nakamura × 山崎晴太郎 / REAL TALK SALON

 
いつもはラジオの放送終了後に、一般の方も交えて開催するリアルトークサロンですが、この日はクローズドで新しい試みを。ピアノが置かれた、南青山のすてきなブックカフェ「HADEN BOOKS」を会場に、haruka nakamuraさんと一緒にピアノを弾いたり、語ったり…。とても特別な夜になりました。
 
 
ー本日の模様を録音するために、スタッフのひとりがピアノを弾いてサウンドチェック。それを聴いていたharuka nakamuraさんの一言をきっかけに、ふたりのトークがはじまりました。
nakamura
彼は今、なにも考えないで弾いているでしょ?
山崎
そうだね。ただのサウンドチェックだから。
nakamura
これがね、理想の状態。今、他のスタッフの人たちもざわざわしてるし、サウンドチェックだから、彼もなにも意識してない。これを、みんなが聴いちゃうと、意識しちゃう。ほら、もう変わってきちゃった。さっきまで、すごくよかったけど、僕が言っちゃって、みんなが聴きはじめちゃったから、ちょっと聴かせようとしちゃってる。
スタッフ
聴かせようとしてます(笑)。
山崎
聴かせようとしてるんだ(笑)。
nakamura
でも、さっきまでの状態のほうが理想(笑)。ライブって、みんなが楽しみにして、みんなが見ている。その状態で、さっきみたいな状態にならないといけない。というか、なりたい。
山崎
そうすると、周囲を、ぐわーって隔離していくような感覚?
nakamura
いや、そうすると壁ができちゃう。みんなは敵じゃないから。みんなでつくっているという感覚かな。
山崎
それはすごいな。そういうゾーンに考え方がなったのって、どのくらいのタイミングなの?
nakamura
実は、小学校6年生で一度ピアノをあきらめていて、それからずーっと弾いてなかったの。それが『Twilight』という2枚目のアルバムを出した時、あの時はkadanというバンドをやっていたんだけど、そのバンドには、キーボードがいて。僕はギターだったんだけど、そのキーボードが休憩中に、ドラムの齋藤功という男とセッションをしてみた。その時に、10年ぶりぐらいにピアノを弾いて。「これ、もしかしていいかも」って言って、「とりあえず録ってみよう」となって『Twilight』ができたのね。
山崎
へぇ、そうなんだ。
nakamura
ピアノをまったく練習していないのに、アルバムをつくったんだけど。なんで出したかというと、すごく下手なんだけど、はじめてピアノを弾いた時に近い感覚で、弾いているのね。もう10年以上ピアノを弾いていないわけだから。でも、アルバムも出たし、「じゃあ、ライブをしなきゃ」となって。だけど、ずっとピアノを弾いていなかったから、家にもなくて、本当にライブだけでピアノを弾いていて。すごく怖いじゃないですか、練習もしてないし。
山崎
弾けるのがすごい。
nakamura
ライブの日しかピアノを弾かないっていうのは怖いんだけど、弾くこと自体は、すごく楽しいんですよ。でも、ライブだから、お客さんを納得させなくちゃいけなくて。だから即興で、どれだけ驚きとか、爆発とかを出せるかが大切で。それがないと、見ている人は「この人、ただ下手なだけじゃん」ってなっちゃうから。そう考えた時に、さっき話していたようなゾーンになったんだよね。
 
ーサウンドチェックも終わり、いよいよharuka nakamuraさんの演奏。すると、彼から山崎にある提案が…。
nakamura
一緒に弾こうよ。
山崎
え、なに言ってるの(笑)。僕が、なに弾くのよ(笑)。
nakamura
即興で。
山崎
え、嘘でしょ(笑)。
nakamura
大丈夫、大丈夫(笑)。これね、よく旅先で会った子どもとやるの。子どもは、めっちゃよろこんでやる。最初にひとつだけ決めるの。たとえば、子どもは黒いところだけ弾くとか、白いほうだけ弾くとか。あと、大事なことは、ずっと弾かなきゃいけないわけじゃない。弾かなくてもいいし、弾いてもいい。好きなところで伸ばしていいし、どこで終わってもいい。同じ音を弾き続けてもいいし、本当に自分のなかで鼻歌を歌うみたいに、もう手が動くまま。
山崎
なるほど。完全に自由に。
nakamura
うん。じゃあ、やってみようか。
 
ー山崎が黒鍵を、haruka nakamuraさんが白鍵を弾くというルールで演奏がスタート。本当に自由に黒鍵を叩く山崎の演奏を、haruka nakamuraさんの紡ぐメロディーが、やさしくリードしてくれます。そして、ふたりの演奏が終わり、再びトークに。
山崎
おお、すごい。ピアノ買おうかな、家に(笑)。
nakamura
やってみると、楽しいでしょ?
山崎
すっごく楽しかった!僕の演奏どうでした?(スタッフに尋ねる)
nakamura
今は、評価はどうでもいいの。晴ちゃんが楽しければいい。
山崎
僕は、すっごく楽しかったよ(笑)。
nakamura
それでいいの。今は、晴ちゃんを楽しませるためにやっていたから。だから、聴いているみんなのことはいいの。だって、子どもは、評価とか考えないでしょ?
山崎
確かに。こういうのを子どもとやることで、harukaくんもなにかまた新しい発見があったりするの?
nakamura
すごくある。子どもは先生みたいな。子どもは、なんにも知らないでしょ。いいも、悪いもない。音がワッと増えたとか、無くなったとか、そういう感覚だから。絶対に、聴かせようとして弾かないんだよね。そこに、こっちでちょっと音をつけてあげると、ばーって自由に広がっていく。
v
それって、ピアノをやっている子と、やっていない子だと、やっぱり違うものなの?
nakamura
やっていない子のほうが、やっぱりおもしろい。同じリズムを繰り返したりするから。
山崎
自分のなかで、リズムを見つけるような。
nakamura
そうそう。見つけると、うれしくなってずっとやるから。そこにちょっと僕が入っていくと、「すごい!楽しい!」ってなる。晴ちゃんも、ちょっと子どもっぽくなっていたよ(笑)。
山崎
なんか、遊び場を与えられたみたいな感じがしたんだよね。
nakamura
うん。それがいい状態だと思うし、僕もその先にある状態になりたくてやってる。
山崎
なんて言うか、外に母性みたいなものを感じた。それは大外に、harukaくんがお母さんのようにいるから、「もう、俺、自由だー!」みたいな(笑)。その気持ちって、なかなかならないじゃない、毎日。むしろ、子どももいて、自分が大外にいなきゃいけない立場だから。これは大人がやっても、すごく発見があると思う。
nakamura
さっきは、晴ちゃんが黒いほうを弾いたでしょ。白いほうでやると、もっと自由度が高い。それと、今は同じテンポのなかでやっていたから、わりと縛りがあったんだけど、次はテンポがない状態で自由に。
山崎
じゃあ、ちょっと飲んでから。いやぁ、なんて贅沢な夜なんだろ(笑)。
 
ー全ての演奏が終了し、最後の写真撮影に。カメラマンやスタッフが慌ただしく動き回るなか、さり気なくピアノを弾きはじめたharuka nakamuraさん。
nakamura
さっきまで、みんなザワザワしていたのが、こうやってピアノを弾くと、みんな静かになるでしょ。弾き終わった後も、みんな一瞬しーんとなる。
山崎
自然と聴き入っちゃうよね。
nakamura
これがね、さっきも話をした、みんなでつくるっていう感覚。みんなでつくる静寂。
山崎
なるほど。
nakamura
最初は、会場がわーってなっていたのを、音を鳴らして、少しずつ音を変えていくと、みんなが「お、なんかやっている」となって、沸点を越えてふっと音が止んだ時に、しーんってなるのをつくっているんだよね、みんなで。ライブをやる時に手放すというのはそういうことで、手放すとみんなで静寂をつくれる。
山崎
自分だけで弾いているわけじゃない。
nakamura
うん。みんなでつくっている。やっぱり、人とやると楽しい。
山崎
なるほど。すごいな、この男は。ただの風呂仲間じゃなかった(笑)。本当にいい夜をありがとう。
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