銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン

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PROFILE

編集者/グーテンベルクオーケストラ代表取締役
菅付 雅信

1964年生宮崎県生まれ。角川書店『月刊カドカワ』編集部、ロッキングオン『カット』編集部、UPU『エスクァイア日本版』編集部を経て、『コンポジット』『インビテーション』『エココロ』の編集長を務めた後、有限会社菅付事務所を設立。出版からWEB、広告、展覧会までを編集する。
書籍では朝日出版社「アイデアインク」シリーズ(朝日出版社綾女欣伸氏との共編)、電通「電通デザイントーク」シリーズ(発売:朝日新聞出版)、平凡社のアートブック「ヴァガボンズ・スタンダート」を編集。著書に『東京の編集』『はじめての編集』『中身化する社会』『物欲なき世界』等。
2014年1月にアートブック出版社「ユナイテッドヴァガボンズ」を設立。下北沢B&Bにて「編集スパルタ塾」を開講中。多摩美術大学で「コミュニケーション・デザイン論」の教鞭をとる。2015年6月に有限会社から株式会社化し、社名をグーテンベルクオーケストラとする。
http://gutenbergorchestra.com/

RADIO REPORT

vol.122015.11.1319:00-20:00

菅付雅信× 山崎晴太郎

山崎
ソラトニワ銀座をお聞きの皆さん、こんばんは。アートディレクター、デザイナーの山崎晴太郎です。さて、本日のゲストは編集者、グーテンベルクオーケストラ代表取締役の菅付雅信さんにお越しいただいております。ご存じの方も多いと思いますが、編集のトップランナーであり、すごく高い次元でさまざまな活動をされている方です。最近、本も出版されたばかりということで、そんなお話もたっぷり聞いてみたいなと思っています。それでは、ここでゲストの方をお迎えしましょう。菅付雅信さんです、ようこそ。
菅付
どうも、こんにちは。
山崎
こんにちは。よろしくお願いします。まずは簡単に、僕のほうからご紹介をさせていただきますね。編集者、グーテンベルクオーケストラ代表取締役で、1964年の宮崎県のお生まれです。角川書店の『月刊カドカワ』編集部、ロッキングオンの『カット』編集部、UPU『エスクァイア日本版』編集部を経て、『コンポジット』『インビテーション』『エココロ』の編集長を務めた後、有限会社菅付事務所を設立。出版からWEB、広告、展覧会まで幅広く編集をされています。『中身化する社会』など、書籍も多数出版されていまして、2014年にアートブック出版社「ユナイテッドヴァガボンズ」を設立。下北沢B&Bにて「編集スパルタ塾」を開講中です。

ファクトが紡ぐ、『物欲なき世界』。

山崎
先日、書籍が発売されましたね。
菅付
そうなんです。先週出たばっかりですね。
山崎
その出版イベントに、僕も行かせていただきました。新しく出版された書籍のタイトルは『物欲なき世界』ということで、簡単にご紹介をお願いしてもよろしいですか?
菅付
2年ほど前に、『中身化する社会』という本を書きまして。どういう本かと言うと、FacebookやTwitter、Instagram、そういったものの普及によって、いろいろなものが可視化している状態が進んでいると思ったので、「その可視化の行く先はどうなるのだろうか?」ということを調べて書きました。今回は、それの発展的続編みたいなもので。ソーシャルメディアの普及によって、僕らは「その人がどういう人で、どういうことを考えて、普段どんなことをやっているか?」が、かなり見える社会に生きているんですね。そうなってくると、ある種、見栄の消費みたいなことが、意味をなさなくなってきている、と感じています。具体的に言うと、先進国では、ファッションへの消費みたいなものが、かなり落ちているんですね。東京とかニューヨークとかロンドンとか、そういう先進国、先進都市に生きている人たちは、ファッション消費、もっと言ってしまうと、見栄消費みたいなものをしなくなっているという、いろいろなデータがあって。最初は、「この傾向はファッションだけなのかな?」と思っていたんですが、調べていくと、どうもそういう消費全体が落ちている、というのが見えてきたので、それを次のテーマにしようかなと思ったんです。
山崎
その『物欲なき世界』ですが、この本は、出口が決まっていて、線を紡いでいった感じなんですか?
菅付
いい質問ですね。実は、全くどういうふうになるかわからずに書いているんですよ。書きながら考えていって、考えながら書いていく、みたいな。そんな感じなんですよね。
山崎
そうすると、どうやってゴールは決めるんですか?
菅付
それが一番難しいところですよね。なんとなくの終着点というのは、おぼろげに想像はするんですが、でも本当に、見えずに書いている。だから、アメリカのポートランドに取材に行ったり、中国の上海に取材に行ったりして…。いろいろな人の話を聞くと、「あれっ、最初に考えていたことと違うな」ということがいっぱい出てくるんですよ。でも、とりあえずファクトのほうが重要だから、それはある種、「事実に身を委ねる」と言いますか。そういうふうにしながら書いているんですよね。
山崎
事実の解釈って、すごくたくさんあるような気がしていて。要は、「切り方によっては、事実も事実ではなくなる」という話ですね。でも、菅付さんの場合は、かなりニュートラルな事実として、自分の中に取り込んでいくという感覚が強いんですか?
菅付
やっぱり、人と直接会って話をすると、情報が体温を持っているから、信じられるじゃないですか?そういったものをなるべく重要視していますね。
山崎
なるほど。編集の世界で長年ご活躍されていますが、そもそも編集者になろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
菅付
大学で東京に来まして、その時はなにになるか決めていなかったんですが、なんとなく「メディアの仕事に就きたいな」とは思っていました。昔から、本や雑誌はすごく好きだったので。でも、映画も好きだし、音楽も好きだし…。その中で「どの業種に一番、頭がよい人が多いかな?」と思ったんですよ。当時、たまたま出版社でバイトをしていて、レコード会社の人や映画会社の人たちと会う機会も多かったんですが、どうも出版業界の人が一番頭がよい感じがして。平均値としてはね。じゃあ、「頭がよい人の多いところで仕事に就こうかな」と思ったんですね。
山崎
それって、すごく戦略的と言うか、「今が楽しいかどうか」ということよりは、「未来に自分をどう描いていけるか」。そういう視点が強かったということですよね?
菅付
そうですね。どの業種も、よい時と悪い時があると思うんですが、頭がよい集団はサヴァイブできますよね?今、出版業界がサヴァイブできているかどうかわからないんですけど…。インターネット業界や広告業界でも、元出版とか編集出身の人がいっぱいいるじゃないですか?そういう形で「ある種の知的集団の中にいれば、最終的にサヴァイブできるんじゃないかな」と僕は思っているんですよ。
山崎
その出版業界の現状というお話なんですが、たとえばインターネットの発達であったり、先ほど冒頭にもあったSNSの発展みたいなものって、すごく大きなカルチャーの変化だと思っていて。そんな中で、編集という行為自体は変わっていくと思いますか?
菅付
本質は変わらないと思うんですよ。ただ、出口はどんどん変わってくると思いますね。僕が考えるに、編集というのは、企画を立てて、人を集めて、ものをつくる。この3つさえあれば編集だと思っているんです。それがイベントでもかまわないし、WEBでもかまわないし、広告的なものでもかまわない、と思っているんですね。

ただ、新しくて、美味しい編集を伝えたい。

山崎
編集者として未来をつくるような取り組みもいろいろされていると思うのですが、どういった未来を伝えていきたいと思っていらっしゃいますか?
菅付
いや、特別なミッションと言いますか、「こういうメッセージを伝えたい」という気持ちは、実は全然ないんですよ。ただただ、新しくて美味しい編集を伝えたいだけなんです。だから料理人と同じなんですよね。料理人も「なにか、この料理にメッセージがありますか?」と聞かれても、たぶんないと思うんですよね。僕も全く同じで、新しくて美味しい編集を伝えたいだけなんですけど、それって、すごく難しいんです。
山崎
難しいですよね。ある程度ステレオタイプ化されてしまうというか…。
菅付
そう。「他の人がやっていなくて、しかも美味しい編集ってなんだろう?」というのを考えているだけで、本当に難しい。
山崎
それは常に、自分の中で眠らせているテーマが沢山あって、いろいろな刺激で、それがピョンって飛び出してくるような、そんな感覚なんですか?
菅付
普段からずっと考えていて、溜めているネタみたいなものも当然あるし、いきなり思いついてパッとやることもあるし、人からいきなり言われて、「あっそうだ、これやってみよう。やったことないし」っていうのもあるし、いろいろですね。
山崎
冒頭にもちょっとご紹介をさせていただきましたが、「編集スパルタ塾」をやられていたりとか、多摩美で教鞭をとられていたりとか、教育という部分も、菅付さんの最近のテーマとして大きいんですか?
菅付
これは、自分としてはうれしい誤算と言いますか、両方とも、人からきた話なんですね。「編集スパルタ塾」のほうが先にはじまっていて、下北沢のB&Bという本屋さんで今年は3期目をやらせていただいているんです。「編集について人の前でしゃべるというのはどうですか?」という話は、昔から結構あって、やるならば単発でやるんじゃなくて、まとまった形でしっかりと「本当に身につく形でできないかな?」と思ったのが「編集スパルタ塾」という、1年間24回の塾なんですよね。
山崎
それは、何名ぐらいでやられているんですか?
菅付
定員が48~49名ですね。
山崎
「スパルタ塾」というぐらいだから、やっぱりスパルタなんですよね?(笑)
菅付
スパルタなんですが(笑)、でも、そうですね。残っている、サヴァイブしている人たちは、すごく楽しくやっていると思います。当然、いっぱい課題が出るので、課題に応えられない人は落ちていく、と言いますか。課題の成績が悪い人は、僕のほうで中間発表みたいなことをやって、辞めてもらっているんですよ。辞めてもらって、残りの授業料をこちらが返金する、という。そういうやり方でやっています。
山崎
かなり刺激的な運営方針ですね。ラジオを聞いている人も、ちょっとびっくりしちゃうかもしれないですが、それは別に編集者だったり、出版社だったり、デザインだったり、業界とは関係ない、一般の方も参加できるんですか?
菅付
もちろんです。学生もちょっとだけいますし。たとえば、電機メーカーとか文房具メーカーみたいな方もいますし、いろいろな方が。やっぱりメディア系の人が多いですけどね。

編集の神様に認められるために。

山崎
菅付さんが、以前ある対談で「クリエイターは『人生の作品化』をうまくやらないとつくっているものも評価されない時代になる」というお話をされているのを見たんですね。この部分、すごくピンときまして、ちょっとお話を聞いてみたいなと思ったのですが、発言の真意というのは、どういうところにあるんでしょう?
菅付
やっぱりソーシャルメディアの普及によって、送り手も受け手も、お互いにものすごく発信できるような時代になってきてしまったので、送り手が単なる黒子でいられなくなった、というのが、今だと思うんです。たとえば山崎さんも、広告なんかをつくって発表したら、仮にそれを自分でソーシャルメディアに上げなくても、検索したら、アートディレクターとかクリエイティブディレクターとして山崎晴太郎という名前が出てきたりしますよね?そうすると、見ているほうが、どんどんその人を調べちゃう。そういう中で、その人がつくっているものが評価されるには、その人の生き方自体が評価されないと、もう評価できない時代になってきているんじゃないかな、と僕は思うんですよね。
山崎
なるほど。それをやっていった時に、どういうふうになっていくかを想像してみると、人生を作品化しているのか、作品の中に人生が埋没していくのか、その境界線がだんだんファジーになっていくような気がするんですね。そのへんって、どうやってドライブしていけばいいんでしょうか?
菅付
そこが一番、おもしろくも、難しいところですよね。当然作品が多くを語ってくれたほうがいいに決まっているんですよ。でも、作者が多くを語らなくても、周りがその人を見てしまう、もしくは可視化してしまう状態が起きてしまっているので…。そういう中で、もともと作品よりも、当然その人の人生のほうが大事に決まっているわけですから、人生をより充実させて、人生で出す部分と出さない部分をよりうまく線引きしていって、評価できる人生を送ることだと思うんですよね。
山崎
人生を作品化するために、菅付さん自身がなにか実践していることはありますか?
菅付
自分は、先ほど言ったように、作品により多くを語ってほしいので、「自分が前に出てガンガンしゃべろう」とはこれっぽっちも思っていないんですね。なので、自分がつくるものが、より自分の新しい可能性を示すような、引っ張ってくれるようなものであってほしい。もっと言っちゃうと、完成するまでなにができるかわからないものを僕はつくりたいんですよ。
山崎
なるほど。先ほどの「ゴールを決めない」というところにつながるわけですね。逆に言うと、人生を豊かにするために、なにかご自身でやられていることはありますか?
菅付
そうですね。それはやっぱり、経験値を上げることだと思うんですよね。なので、なるべくいろいろな人に会い、いろいろな場所に行き、いろいろなものを食べ、いろんな失敗をして…ということが大事かな、と思っています。
山崎
その経験の仕方というのも、自分の肌感で身体的に体験するのか、書籍とか文字を通して自分に取り込むのか、2つ方法があると思うんですが、菅付さんはどちらのほうに重きを置いていますか?
菅付
両方とも大切だとは思いますが、でもやっぱり、実体験に敵うものはなかなかないですよね。誰かの本を読むというのも、もちろんすばらしい経験ですし、実際自分も本をつくっているわけなんですが…。直接会って、その人の話が聞けるんだったら、トークイベントでも、講演でも、その現場に行って聞いたほうがいいですよね。
山崎
やっぱり、生の声って全然違うということですね。逆に、本や雑誌でなにか影響を受けたものはありますか?
菅付
本当にいっぱいありますよ。僕は10代の頃、音楽が本当に好きで、あまりにも音楽が聞きたくて学校に行くのが嫌で、授業がはじまっているのに、家でレコードを聞いていたぐらいなんです。そういう中で、イエロー・マジック・オーケストラが本当に好きで。当時、小学館から『OMIYAGE』という変わったタイトルの、YMOの写真集が出たんです。それを見た時に、「なんておもしろい本だろう!」と思って。写真もデザインもいいし、テキストもすごくよくて。「こういうものがつくれる人になりたいな」とは、10代の頃に思いましたね。
山崎
そういうものって、どういう時代に、どういう価値観を持っている人が触れるかによって、名作にもなれば駄作にもなると思うんですね。要は、書籍が大ヒットする理由というのがあると思っていて。そういったものをつくる中で、意識されていることはありますか?
菅付
正直言ってね、ヒットするかしないかはわからないんですよ。「すごくヒットさせよう」と思ってつくって、そうならない時もあるし、逆に「あんまり当たらないかな?」と思ってつくったものが当たる経験もあるし、それは蓋を開けてみないとわからないところがあるんです。自分の中でひとつだけはっきりしているのは、「マーケティングを優先してつくらない」ということ。そうすると、答えが見えてしまうので。
山崎
出口が決まっているから、そこに向けて戦略をつくっていくことになってしまう?
菅付
そうですね。そうしたら、たぶんまた同じような仕事が来ると思うんですよ。「菅付さんのこういう感じのものが当たったから、またこういう感じでやってください」って。またそれをやろうと思えば、きっとできちゃうと思うんですけど、それは自分を次なる次元に引っ張ってくれない仕事だと思うんですよね。それは、自分はやっちゃいけないと思っていますね。
山崎
理想を言えば、みんな、菅付さんのように仕事をしたいと思うんですよ。だけどそこにいけないというジレンマを抱えている方って、きっと多いような気がしていて…。そこに少しでも近づいていくために、なにをやればいいのでしょうか?
菅付
それはやっぱり、失敗と言いますか、野球で言っちゃうと「三振を恐れない」ということだと思うんですね。僕、実はすごく打率が低いクリエイターだと思っているんです。だいたい3割ぐらいかな、と。なので、自分に仕事を頼む人は、すごくひやひやしながら頼んでいると思うんですよね、今でも。だから、仕事をする時も「僕、打率低いです」って話は、最初に言っておこうと思っていて。でも一応、全力でスイングするんですよ。正直、自分でも球がどっちに飛んでいくかわからない。当たるかどうかもわからないし、どっちに飛んでいくかもわからないですけれども、ただ「菅付に頼んだんだから仕方ないな」って、周りに思ってもらうしかないな、という感じなんですよね。
山崎
なるほど。それはすごく勉強になる話ですね。先ほどの話にも関係しますけど、自分の人生が作品だとしたら、菅付さんが「これだけは死ぬまでにやっておきたい」というものってありますか?
菅付
いっぱいあるんですけどね。まだ、なにも達成していない感じなんです。山登りで言えば、那須高原を上がったところぐらいの感じがあって…。まだまだ、全然高い山に登れていない、という感じはすごくあるんですよね。
山崎
その高い山の頂点には、なにがあるのでしょうか?
菅付
やっぱり誰が見ても発明だと思うものをつくりたいんですよ。それをまだ自分はつくれていないので、「これは発明だな」「まだ誰も発明してなかったな」というのを、どうやったらつくれるか、ということを日々もがいている感じですね。それが、表現のスタイルなのか、メディアのフォーマットなのか、人への届き方なのか、届いた後の人の行動なのか、それはまだ、わかっていないですけど。
山崎
なぜ、それを達成したいと思われているんですか?
菅付
僕らものをつくっている人というのは、いろいろな目的、モチベーションがあって、なにかをつくっていると思うんですが、僕は、自分のためにものをつくっている感じは全然しないんですね。客のためにつくっている感じもしない。クライアントのためにつくっている感じも全然しなくて。誰のためにつくっているかと言うと、編集の神様、と言いますか。クリエイティブの神様に認められたくて、つくっている感じがあるんですね。まだ、自分は全然認められていない感じがあるので、「どうやったら認められるかな」ということをすごく考えるんですよ。僕は「楽しくやろうぜ」っていう仕事のやり方、大嫌いなんですよね。あとは「まず客に受けなきゃ」という考え方も。クライアントにも客にも自分にも媚びたくないんです。そういう超越的な視点を持たないと、なんか甘くなっちゃうな、って常に思うんですよ。
山崎
誰に対して胸を張ってつくるか、ということですね。そのお話に、すごく共感するところがあって。僕は、美のためにつくっている、と思っているんですよ。自分の人生はそのためだけにあるな、と思っていて。だから、「美しい」というキーワードがあったら、全てを掘り下げるようにしているんですね。「数学が美しい」とか「宇宙が美しい」とか…、芸術ももちろんそうですし。そうすると、世界がいっきに広がっていくんです。今の菅付さんのお話を聞いて、最後に見ているところが一緒なのかどうかは別にして、とても共通する部分があるのかな、と感じました。
菅付
あぁ、全くそうですね。そうだと思います。僕は、仕事で何度も坂本龍一さんにインタビューしたり、一緒にクリエイションさせてもらったりしているんですが、坂本龍一さんと話をしている時に「自分はまだ名曲を書いてないからな」って言われて、「えっ?」と思ったんですよ。だって、いっぱいあるじゃないですか?坂本龍一が「名曲を書いてない」と言うんだったら、他の日本のミュージシャンはどうなるんだ、と思って。それは最近の話なんですが、その時は本当に椅子からずっこけそうになっちゃって(笑)。そんなこと言ったら、日本のミュージシャンみんな死んじゃいますよ、と思って。
山崎
確かに(笑)。でも、そうなんですね。やっぱり、達観するなにかに対して、矜持を持ち続けるというのは大事なんですよね。最後に、なにか共通点のようなものが見つかって、僕はすごくうれしかったです。それでは、リスナーの方にメッセージをお願いします。
菅付
先週(2015年11月4日)、『物欲なき世界』という本が出たばかりなんですが、これは先進国、先進都市の中で消費欲が低下している兆候があって、「消費欲がない、物欲がない世界はこれからどうなっていくか」ということを、すごくいろいろ調べて、内外の人たちへの取材も重ねて、書いた本なんです。これを読むと、「これからの世界は、こういうふうになるんじゃないか?」というのがおぼろげながら見えてくる本だと思うんですね。そこに希望を見いだす人もいるでしょうし、そうではない人もいると思うんですけど、僕はとてもポジティブな気持ちを込めて書いたつもりです。これから数十年後の社会で、物欲がなくなっていく、そして資本主義というものがゆっくりと終わっていく中で、新しい価値観と言いますか、そういったものがある程度わかる本になったかな、と自負していますので、ぜひ手に取っていただければと思います。
山崎
絶賛増刷中ですもんね。ぜひぜひ皆さん、本屋さんかAmazonで購入して読んでいただければと思います。
菅付
ありがとうございました。
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