銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン

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PROFILE

建築家/プロダクトデザイナー
黒川 雅之

1937年、名古屋市生まれ。名古屋工業大学、早稲田大学理工科大学院、博士課程を修了後、黒川雅之建築設計事務所を設立。建築設計から工業化建築、プロダクトデザイン、インテリアデザインと広い領域を総合的に考える立場をとり続けている。毎日デザイン賞、グッドデザイン金賞、ドイツIF賞など受賞多数。MoMAをはじめ、美術館に永久保存されている作品も多数。

2007年にはデザイン・製造から販売までを一貫して行う株式会社Kを設立し、自らの作品を含めたプロダクトの販売を開始。これによって「創作の場としての黒川雅之建築設計事務所」と「情報システムとしてのデザイントープ」と「交流と研究の場としての物学研究会」と「製造と販売の場としての株式会社K」のリンクし合う四つの組織のKシステムが完成した。金沢美術工芸大学において芸術博士学位取得。復旦大学上海視覚芸術学院客員教授。主な著書に『デザインの修辞法』(求龍堂)、『デザインと死』(ソシム)などがある。
http://www.k-system.net/

RADIO REPORT

vol.72015.08.2119:30-20:30

黒川雅之 × 山崎晴太郎

山崎
ソラトニワ銀座をお聞きのみなさん、こんばんは。アートディレクター、デザイナーの山崎晴太郎です。本日のゲストを一言で言えば、僕の師匠です。とてもお世話になった方で、この番組が始まった時から、どこかでお呼びしたいなと思っていたので、ようやくその機会ができて、僕自身とてもハッピーだなというふうに思っています。それでは、お迎えいたしましょう。建築家、プロダクトデザイナーの黒川雅之さんです。ようこそ。
黒川
こんばんは。
山崎
こんばんは。なんか不思議な感じがしますね、こういうの(笑)。僕のほうから簡単に、黒川さんをご紹介させていただきますね。1937年、名古屋市生まれということで、名古屋工業大学、早稲田大学理工科大学院、博士課程を修了後、黒川雅之建築設計事務所を設立。建築であるとか、プロダクトであるとか、インテリアデザインであるとか、とても幅広い領域を総合的に考える立場を取り続けていらっしゃいます。受賞歴も多数ありまして、毎日デザイン賞、グッドデザイン賞、ドイツIF賞、等々ですね。ニューヨークにあるMoMA(Museum of Modern Art)等、美術館に永久保存されている作品も多数あります。2007年にはデザイン・製造から販売までを一貫して行う株式会社Kを設立して、商業的にもいろいろと実験的なプロジェクトをやられている方です。

「美」とは、生命の原点にあるもの。

山崎
まずはじめに、僕と黒川さんとの出会いなんですが、覚えていますか?
黒川
ええ。香港ですよ。
山崎
ありがとうございます。2009年ですかね。アジアデザイン賞で僕が初めて海外の賞をいただいた時に、そこで講演をされていた黒川さんにお会いして。その後も、いろいろな形でお世話になっていまして、黒川さんが主宰されているデザイン塾で学ばせていただいたり、あと2011年から2年間、西麻布にある黒川さんのスタジオのワンフロアをお借りして、うちの事務所を置かせていただいて…。
黒川
まあ軒先を貸しながら、母屋をとられそうな気はしていましたけどね(笑)。
山崎
いやいや、そんなことないですよ(笑)。僕、最初に黒川さんと会った時のことをすごく覚えているんですよ。香港のどこだったかな…?結構雑多な中華料理屋だったと思う。
黒川
覚えてる。
山崎
覚えてます?円卓の所で。そこで黒川さんが「美とはなんだと思う?」って聞かれたんです。そのとき、初めて会う人たちに。僕、あれが結構衝撃だったんですよね。
黒川
そうだっけ?そんな質問をしたことは覚えてないけど、まあ、「調子のいい、ちょっと軽い男が来たな」とは思ってはいましたけどね(笑)。
山崎
本当ですか(笑)。ちょっと試された感じですかね?
黒川
そう(笑)。そうしたら、その後、結構すごい奴だなってことがどんどんわかってきて。今じゃあ、もう惚れ込んでますよ。
山崎
いえいえ、恐縮でございます。ちなみに、今あらためて、黒川さんにとって“美”ってなんですか?
黒川
それはね、一言で言わなきゃいけないから言いますと、たぶん“生き物の感覚”でしょうね。生き物の感覚、生命とか、やはり一番オリジンに戻っていったところにあるような気がします。
山崎
なるほど。そういう美の感覚は、長年デザインや設計をやられる中で、変わっていくものですか?
黒川
変わっていくけれど、横に移動して変わっていくんじゃなくて、どんどん深みに入っていく形で変わってきますね。
山崎
なるほど。じゃあ、大きなベクトルとしては同じ方向性に進んでいる、ということですね。黒川さんに言われて思い出に残っていることはたくさんあるんですが、そのひとつが、僕が今までつくったものを黒川さんにお見せしたときに、「全部、二律背反を融合しようとしているね」と言われたことです。
黒川
そうそう。
山崎
自分では全然そんなことを思ったことがなくて、その時その時に、全力で自分の中から「絞り出そう」「絞り出そう」ってやっていたんですけど、それを黒川さんがパーッと俯瞰して見られて「領域を越えようとしているんだね」みたいに言われて。それをすごく覚えています。
黒川
正直なんだよ、君は。本質的に、命というものは何事も二律背反なんですよ。矛盾しちゃってるんです。大自然の中にどっぷり浸かっているわけでしょ?人間って。だから「僕の中に自然がじっくり入っている」ってそういう感覚なんだけど、だけど「俺は、俺は」って自立しようとするじゃない?この「依存性と自立性との二律背反の中に、それをどう克服するか」っていうのが、本当は命のテーマなんだけどね。あなたは正直だから、それが表に出てくるんだと思うよ。
山崎
そうですか(笑)。いいことなんですかね。
黒川
いいことです。すばらしいです。

東洋と西洋の文化の対立的融合。

山崎
最近、黒川さんは中国でのご活躍がすばらしいですが、今は月のどれぐらい中国にいるんですか?
黒川
半分くらい。本当に半分ぐらいですね。
山崎
すごいですね。今はどんなものをつくられているんですか?
黒川
工事の現場がそろそろ終わるのが、北京の3000㎡の大きなオフィス。そのワンフロアのインテリアを全部やり直すっていうのがひとつ。それから、まさに始まったばかりなのが、ドイツのバロックのお城をホテルにしたいというもの。中国のクライアントが買ったお城の仕事ね。
山崎
それは、とてもおもしろそうですね
黒川
僕はその話を聞いたときに、非常に積極的に「それ、やる!」「それ、僕やる!」って言ったんです。普通は、なかなかそういうふうには言わない。まあ、頼まれたらちょっと格好つけて「そうか」みたいに言ったほうが、いいからね。でも今回は「やるやる、僕、やる」って言ったんです。それは、「バロックのお城というドイツの文化と中国の文化を、どう対立的に融合させられるか」というテーマが頭の中にあったんです。
山崎
なるほど。“対立的融合”っていい言葉ですね。ちなみに、中国にいろいろと出入りされるようになって、中国の歴史であるとか、文化圏であるとかを、だいぶ勉強されたと伺っているんですが、自分のベース、アイデンティティは、表層的には中国とは違うところにありますよね?そういった中でデザインをしていくときに、意図的にそこを突き抜けていくような考え方や、意識していることってありますか?
黒川
一切ないですね。僕は、この、ありのままの僕で。ただ、ずっとずっと前に、僕は『八つの日本の美意識』という本を出版しているんです。それは、「日本の文化、日本の意識ってどういうものか」っていうことをずっと考えて書いたわけでしょ。中国へ行って、「中国の美意識っていうのを書いてあげられないか」って思うじゃないですか。今、彼らは自分たちのアイデンティティ探しに一生懸命なんです。それまでは、まねをしていたけど、「もうまねはだめらしい」と。「まねをしないで自分たちのデザインをしよう」と決めても、「あれ、どういうのが俺たちのデザインなんだ?」って難しいでしょう?彼らが悩んでいるので、それじゃあ「中国の美意識を作ろう」と思ったのですが、難しい。無理なんですよ。僕、中国人じゃないから。そこで、“東アジアの美意識”という形で、もう一回、理解し直すことにしたんです。
山崎
なるほど。じゃあ、国単位ではなくて、もう少し自分たちのアイデンティティも含まれた大きなエリアを拠りどころにする、という考え方ですね。
黒川
それで本を書こうと思って、大体この1週間ぐらいで3分の2ぐらい書いたところです。
山崎
なるほど。僕は何度も聞かせてもらった話なんですが、西洋の美意識というか、その美しさと、いわゆる東アジアの美しさというものの違いについてもう少し教えていただいてもいいですか?
黒川
それは簡単。簡単と言ってはだめですが、23歳のときに当時東大の名誉教授だった浅田孝さんという方に会いまして、彼が僕に言うんです。「雅之君、ヨーロッパを理解したかったら、キリスト教を理解しないとだめだよ」って。昔のその一言がずっと頭に残っていたんです。時が経つにしたがって、「ああ、そうか、ヨーロッパっていうのはキリスト教なんだ」と。徹底的に塗りつぶされた世界なんですよ。だから、キリスト教的な世界観と自然主義的な世界観との相違と言ったらいいんじゃないですか?たとえば、「神様、どこいますか?」と言うと、キリスト教徒たちは天を指さす。アジアの人たちに「仏様はどこにいますか?」って言うと、自分の胸を指さす。この違いは大きいでしょ?
山崎
それは大きいですね。
黒川
ほとんど裏腹。真逆みたいな世界が、ヨーロッパとアジアの美意識の相違ですね。
山崎
なるほど。ちなみに、ラジオのリスナーの方々もこういう話をなかなか聞く機会がないと思いますし、「なんで、そんな深いところにいけるの?」って思う人がいっぱいいると思うんですよ。こういう思想にいたるには、なにかきっかけというか、思考のプロセスがあるんですか?「右脳と左脳をどうやって高めていくか」みたいな話にも通じるのかな、と思うんですが…。
黒川
いや、昔からヨーロッパやアメリカにはしょっちゅう行ってるわけでしょ?それで、僕の意識の中からずっとアジアは欠落していたんですよね。だけど、年齢を経て、日本の美意識のことを考えてみると、日本の文化の母親は、実は中国なんですよね。中国で育てられた、あるいはインドで育てられた文化が日本に入ってきて、日本独特の文化が醸成されていったわけです。ですから、これからはね、僕は国じゃないと思うんです。どの国が重要だっていうことじゃないんですよ。むしろ、ひとつの文化圏として僕も責任が取れるのはアジアの文化圏。一応、フィリピンだってインドネシアだって全部入れて。これを僕はお手伝いしたいんです、彼らの成長を。彼らの文化がもっともっと成長するように、とにかく僕が少しでも教えられればなと思うわけです。

アジア文化のルネッサンスを。

山崎
黒川さんは今、本を書かれているということで、いろんな思想を取りまとめていらっしゃると思うんです。最近の黒川さんのテーマは“野生の思想”ということで、これはどのような本になるんですか?
黒川
今、近代思想が世界を全部覆い尽くしましたけど、「これがどこで生まれたか?」というと、ヨーロッパで生まれたんですね。「ヨーロッパというのはどういう国か?」というと、ほぼ90何%、キリスト教思想が染み渡っている。まあ100%と言ってもいいですよ。人の名前はみんな聖人の名前を使っていますし、あらゆる習慣から街からものまで、全てがキリスト教の思想に塗り尽くされたヨーロッパで発生していますから。近代思想って、ほとんどキリスト教思想を焼き直したようなものなんです。そこに科学の思想を放り込んだだけで出来上がっています。
山崎
なるほど。
黒川
ですから、ヨーロッパですなわち近代思想というもの以前の世界、キリスト教が蔓延する前の世界を探せば、それは驚いたことにアジアの思想と同じなんです。要するに、以前の思想、すなわち原点回帰ですね。思想の原点回帰。ひとりの、ひとつの野獣のような人間というのが、当時のビビッドな野生の感覚を表に出しながら、考え、行動し、そのまま思想をつくっていったらどんな思想になるか?そういう原点にいったん立ち止まって考えることで整理していくと、なんてことはない。近代思想を飛び越える、そこから抜け出すことができる思想になっちゃっているんです。おもしろかったですよ。自分自身が本当に探検旅行しているようなものですからね。
山崎
それは、宗教が、という言い方が正しいのかわからないですけれども、「もし思想の世界から宗教を取ったらどうなるか?」という話なんですか?
黒川
まあ、「一神教を取ったら」ですね。実は、仏教あるいは道教とか儒教とか、アジアにある「教」と付く世界は宗教じゃないんですよ。ヨーロッパの一神教を宗教というならば、これは宗教じゃなくて、「いかに生きるべきか」という思想なんです。キリスト教などは神がいて、そして神を信じるところから始まりますけど、こちらは仏がいて、ではないんですね。むしろ、「どのように生きるか?」ということを考える方法として仏というイメージをそこに持ってきているにすぎない。根本的に立ち位置が違うんです。ですから、ヨーロッパの思想を剥いでいくと、もとの生々しい人間に戻るはずなんです。
山崎
なるほど。それって、中国の文化であるとか、東アジアの文化みたいなお話をどんどん掘っていったら、そういった対比構造というか、新しい思想が生まれてきた、という感じのプロセスなんですか?
黒川
中国の思想をいくら考えてやろうとしたって、僕は中国人じゃないから見えてこないんです。だから、大きく捉えて、東アジアの思想というふうに捉え直して考えていったんです。そして「非常におもしろいぞ」と。これは単なる原始のアニミズムではなくて、アニミズムの次元で思想化しているんですね。それは、中国であれば、老子であったり、孔子であったり、荘子であったり、そういう優れた思想家たちが、それぞれの時代にちゃんと加工してきているんです。それを探っていくと、単なる原始の野獣ではない。その野獣性をしっかり残したまま、ちゃんと言葉に置き換えつつあるんですよね。その話を僕がミラノの大学の院長さんに話をしたんです。そうしたら、「それ、おもしろいね。でもわれわれにもあるよ、そういう思想」って言うから、「なにを言ってるの?」って聞いたら、古代ギリシアと古代ローマだと言うんです。「ああ!」ってそこで気づかされたんです。確かにギリシア神話にはたくさんの神がいて、野生の思想そのものなんです。
山崎
なるほど、そうですね。
黒川
実は、キリスト教世界では長年そのことが気になっているんです。ヨーロッパ人がキリスト教の中にどっぷり浸かりながら、原始思想をずっと気にしていて、そして、それを積極的に取り出したのがルネッサンスだったわけです。だから人間復興というけれど、そうじゃなくて、原点回帰だった。「あれ、待てよ。僕が今やってることは第2期ルネッサンスだな」と。
山崎
美術館とかそういう目で見たら、その通りですよね。ちなみに〈自然思想〉というか、原点にあったものを思想化していくというお話だと思うんですけど、思想化されたものとされていないものって、どういう違いがあるんでしょう?
黒川
たとえば風水で「川の流れのある所にこういうものを建てたらいい」とか「背中に山があって、泉があって、川が流れて、そういう所がいい場所だ」とかいうふうに言うじゃないですか?占いのように。そういう原始的な、宗教あるいは占いのような感覚だけではだめなんです。でも「その中になにか真実があるはずだ」とまずは信じて、それを言語化しているものを探すわけです。たとえば、〈陰陽〉っていう言い方をしてみたりすることによってなにを語ろうとしているのか分かってきたり…。当時はですね、いわゆる物語にして思想を語るんですよ。荘子がある時、ふと、うたた寝をして、はっと目が覚めた時に、「私は蝶になった夢を見た。しかし今、覚めている僕は、蝶が見てる夢ではないだろうか」と書くわけです。
山崎
なるほど。おしゃれですね。
黒川
おしゃれでしょ?そんな話を読んで「何を言いたいの?」と解釈が始まるわけです。そして、その解釈をすることによって、言語化が始まり、それが荘子の思想を僕の解釈で体系化したことになっているわけですね。

好奇心と渇望感こそが原動力。

山崎
前にも話をしたことがあったと思うんですが、僕、いつも肩書に迷うんですよ。最初はグラフィックが軸でしたが、今だとグラフィックとWEBサイトを一緒につくったり、プロダクトだったり、建築もやるので…。「これを何と呼ぶんだろう?」みたいな。そこには自分の志向性みたいなものも出てくるので、「エディターではないんだ」「編集ではないんだ」と。仕事の環境としては、それがあとからついてきているんですけど、まだその呼称というか、言い方が見つかっていないという想いがあるんですよ。
黒川
なるほど。僕は、「レオナルド・ダ・ヴィンチの時代に戻ろう」っていうのが、29歳で事務所を持った時の原点なので。ダ・ヴィンチは建築家なのに彫刻をやり、絵も描いて、そして人間の解剖学から飛行機の開発まで全てをやったわけでしょ。つくるってことをやりたいだけなの。建築建てるとか、ロボット作るとか、そういうことじゃない。要するに、つくることをやりたい。自分の表現をしたい。だから僕は、もしも肩書きを書くとすれば、「レオナルド・ダ・ヴィンチの時代の建築家」ということになっちゃうんです。
山崎
黒川さんはすごく幅広いですよね、本当に。
黒川
でも、メディアはそれを許してくれないんです。僕が「建築家」と書くと、「いや、デザイナーと書かせてください」とか、ある時には、「インテリアデザイナー、プロダクトデザイナー」って書く人も出てくる。「全部やめてくれ」って、そのうち言うと思う。そもそも、全てを含んで僕は建築だと思っているから。デスクも建築じゃない?お水を飲むコップも建築ではないかというふうに主張して「建築家というふうに言ってくれ」と言っても、なかなかみんな…。
山崎
だめなんですね。
黒川
だめなんです。近代以後、職能がばらばらに分かれてきて、その被害があるんですが、これから職能は再び融合しつつありますから、再びちゃんと建築家ということが言える時代になるだろうと思いますけど。だから晴太郎も、建築家でいいんだよね。
山崎
恐縮です(笑)。
黒川
いや、そうですよ。「見えない建築をつくっている建築家です」とか、いろいろ。
山崎
言い様はありますね(笑)。でも本当、難しいですよね、そのへんは。僕もいろんなところでいろんな書き方をやっぱりされるので。
黒川
あと3年ぐらいすると、「私、晴太郎です」って、これで全て通じる時代になるよ。
山崎
最高の時代ですね(笑)。それでは最後に、デザイナーであったり、建築家であったり、創作に関わる方が今日はたくさん聞いていらっしゃっていると思うので、皆さんにメッセージをお願いできますか?
黒川
メッセージですか。一番大事なのは、好奇心を持ってくれ。なんでも知りたい。もっと知りたい、知りたい…。好奇心を持つことが一番ですね。その上で、飢えてほしいね。飢えてなきゃだめです。渇望感を持っていると、必ずそこへ向かって欲望が生まれてきます。意欲が生まれてきます。一番陰気でどうしようもない状態なのは人間なんですけど、それでも、一生懸命立ち上がろうとしているのもまた人間なんですね。立ち上がる力を失ったら、ポトンと本来の姿へ戻っちゃうんです。この立ち上がる力は、上を見て好奇心を持つ。「あっちへ行きたい」と思う。海に住んでる魚は、「陸に上がりたい」と思うことなんですよね。そうなって初めて陸に上がる動物が生まれてくるわけです。だから「好奇心と意欲、渇望感、みんなこれを持ちなさい」というのをメッセージにしましょう。
山崎
ありがとうございます。まだまだいろいろなお話を聞ければなというふうに思っていますので、この後、黒川さんを招いてリアルトークサロンを行わせていただきます。この時間は…、このくだりの中でこの肩書はすごく紹介しにくいんですが、建築家、プロダクトデザイナーの黒川雅之さんをお迎えしました(笑)。本日はありがとうございました。
黒川
はい、どうも。
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