銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン

隔週水曜19:00-20:00ON AIR

EVENT REPORT

vol.22015.05.2919:30-20:30

水野祐 × 山崎晴太郎 / REAL TALK SALON

山崎
先ほど7時半から8時半まで、ソラトニワ銀座という松屋銀座の屋上でラジオの収録をしていたんですけど、そのアフターイベントということで、平たく言うと、みんながつながればいいなっていう会です。
水野
そうなんですね。後でみんなで飲むときの導線づくりを、今ここでしておくって感じですか。
山崎
導線と伏線ね。だから参加人数も、今のところ割と少なめに設定をしていて。皆さんがおのおの交流をしていただいて、昔のサロンじゃないけど、そういった空気がつくればいいなと思っています。
水野
この会場(クラシカ表参道)は、セイタロウデザインのクライアントさんなんだよね?
山崎
そうです。ここは結婚式場なので、どなたかご結婚の予定があれば是非。それではここで、水野さんのご紹介を。水野祐さんといいまして、弁護士ですね。うちの顧問弁護士もやっていただいておりまして、シティライツ法律事務所代表です。
水野
もともとは、僕がセイタロウデザインの小林明日香ちゃんってプロデューサーと、後藤繁雄さんという人の編集スクールで出会ったのが縁で、一緒に仕事をするようになって。
山崎
5、6年前?いや、そんな前じゃないな、4年前かな?
水野
編集教室に行ってたのは、もう5年以上前じゃないかな。
山崎
ああ、じゃあ、そんな前なんだ。まあ、わりと知り合い同士がつながる小さい世界だよね。
水野
こう何て言うのかな。ラジオ番組を頼まれたら普通にラジオ番組をやるのは普通なんだけど、僕の中で面白い人たちって、ラジオ番組やるだけじゃなく、その枠を超えてこうやって自分の持っているコネを利用して、リアルの場につなげることを提案して、実際にそれを実現しちゃう人なんだよね。ラジオのあとにリアルの場に連れてきて、そこでサロンみたいにやろうとかっていう仕組み自体が、すごく編集的だなと思って。
山崎
ああ、本当に?編集的かな?俺、編集っていうキーワードを自分にあてられたことがなくて。たぶんね、今、初めてあてられた気がする。
水野
でもさ、クリエイティブディレクターとかアートディレクターと編集って近しい存在ではあると思うんだけど、実際どうですか?
山崎
近しいし、近しいというイメージも分かるんだけど、何となく自分の中で僕は編集ではないって思ってるところがあるんですよ。
水野
グラフィックデザイナーとか?でもグラフィックにこだわってないでしょう、建築もやるし。
山崎
こだわってない。それは何かチャネルフリーで「作る」っていう、作ることの定義もたぶん違うんだけど、何となく僕の領域ではないっていう気がしていて。最も身近なところにその編集みたいなものを武器にする人がいるっていうのもあるんだけど、なんか。
水野
なるほど。編集は自分の職能じゃないっていう感じなんだ。
山崎
うん。だからこういうのって結局さ、何かあいまいなもので、こう山みたいなものはあるんだけど、この辺は結構あいまいだったりとかするじゃない。
水野
山の例え好きだね。ラジオでもずっと山の例えをしていて、それはどういう話だったかっていうと、クリエイティブみたいな山をこう登っていて、自分はその頂を目指して歩いていると。だけどその山で弁護士に会ったことはなかったから面白いと思ったっていう話。
山崎
大体どの道を登ってもクリエイティブ系の人たちというのはどこかで合うわけですよ。建築やってても、絵やってても、音楽やってても。そこに「弁護士きたよ!」みたいな。「弁護士もこの山登るんだ」って思ったっていう話。
水野
っていう話をしてたんだよね、分かりにくいね。
山崎
え、分かりやすいでしょ、今の。じゃあ、ちょっと具体例をお聞きしたいんですけれども。
水野
また無理やりに進行したでしょ、今。
山崎
いやいや。1個気になってて話そうと思ってたのが、いろんなものにさ、今、権利とかってあるじゃない。この間もさ、いわゆる意匠権がアツいみたいな話あったじゃん。その意匠権とか著作権とかいろいろある中でさ、言葉の権利ってどうなってんだっていうのを、ちょっと聞いてみたいなと思ったわけ。要はそのコピーライターが描くコピー。
水野
最近、コピーライターが会社に入ったんでしょう?
山崎
ああ、そうそう。で、コピーライターがリアルな力になってくると、そのコピーっていうものに対してとか、言葉に対する見方がちょっと変わってくるわけですよ。やっぱり名作コピーみたいなものっていっぱいあるじゃない。それがどこまで権利的なもので守られていているのかなと。言葉ってさ、基本的にはほら、ファッションもそうだけど、みんなが初めて素直に自己表現をできるチャネルじゃない、かわいい文字書きたいとかさ。
水野
それこそtwitterがまさにそうだね。
山崎
そうそう。しゃべり方もそうだし。そういうものと権利って、ちょっとコンフリクトしてる部分があるような気がしてるんだけど、それはどういう扱いなんですか。
水野
言葉っていうものの著作権はテキストだったら生まれるんだけれども、とは言え、短か過ぎる誰もが使う言葉に著作権を発生させてしまうと、著作権ってお金を払って特許庁に登録してもらって初めて守られるものじゃなくて、書いた瞬間に自動的に発生しちゃう権利だから、それを、あまりにも簡単に認めさせ過ぎると、僕らがいろいろ言葉を使えなくなっちゃうっていう不自由さが一方で出てきちゃって。だから、ありふれた表現には著作権は発生しないっていう仕組みをとってるんだよね。
山崎
じゃあ例えば、北島康介の「超気持いい」っての、あれはどうなの?
水野
著作権は認められない。
山崎
それは認められないんだ。じゃあ、「大人も子どももお姉さんも」は?
水野
それも認められないだろうね。
山崎
へぇ、そうか。じゃあ、「プール冷えてます」は?
水野
認められないと思う。けど、何かね、その辺になってくると結構あいまいで。
山崎
その辺なんだ、境目が。
水野
いや、要はね、俳句でも著作権は認められるんですよ、ユニークなものであれば。そのユニークさがどこで線引きされるかっていうと、イントネーションとか、文章の長さとか、組み合わせとかで、それを誰もが選べるわけじゃないっていうことがポイントで、それを僕らの世界では、選択の幅がないって言うんだけど。例えば、夏のプールを表現するときに、みんなが「プール冷えてます」にたどり着くかどうかが問題っていうことなんですね。でも、冷えてますっていうのは、結構ユニークな発言とも言えるんだけど、ただプールと冷えてますは、それぞれで考えると結構ありふれた言葉なので、その組み合わせでどこまでオリジナリティが主張できるかなっていうところで、なかなか難しいところだと思うね。
山崎
そういう前例とかってあるの、そのコピーで戦った。
水野
判例で争われたケースで、一番短いのが18字ぐらいの文章。「ボク安心 ママの膝よりチャイルドシート」ていう幼児用のチャイルドシートのコピーで、そのタームに著作権があるかどうかが争われて、それは著作権があるってされた。
山崎
あるってなったんだ。
水野
何か、それはこうイントネーションとかがユニークだというふうに判断されたんだよね。
山崎
それは著作権というかその、守りたい人はそういう登録をしていたってことなの?
水野
いや、登録しないで。
山崎
登録してなくても著作権は発生するからこの場合はいい、と。
水野
そこまでの長さをそのまま使っちゃったら、著作権侵害になるよねと。僕がよくクリエイター向けの講座とかで聞かれるのは、「twitterのつぶやきに著作権って発生するんですか」っていう話で、それはもうケース・バイ・ケースなんだよね。例えば、今ここで「何とかなう」ってつぶやいたとしても、その表現はちょっとありふれ過ぎてて著作権発生しないんだけど、何かズラズラ140字こう自分の感情を表現してるものとかっていうのは、著作権で保護される可能性は十分あるっていう。
山崎
なるほどね。例えばさ、文体の癖みたいなやつってあるじゃん。要はさ、言葉としては定義しにくいんだけど、通読していくと、何かこの人の文章はねっとりしているなぁみたいな感覚、ちょっとアトモスフィアみたいな。それに対しての権利みたいなものって発生はするの?でさ、狙おうと思えばさ、そういう文体って書けるじゃない、形容詞をこうねっとり重ねていこうとかさ。
水野
文体で表現された長めの文章には著作権が発生するけど、文体や文章のクセ自体には著作権は発生しない。例えば、村上春樹さん的な、ちょっと過剰とも言える形容詞をつけて表現することっていうこと自体は、アイデアとかコンセプトとか、そういうふうに抽象度の高いものなので、そこには著作権は発生しないと思う。あくまで具体的な文字列になった表現が、著作権の発生する対象になるんだよね。
山崎
なるほどね。その癖とか特徴とか個性みたいなものではなくて、生み出されたファクトに対して発生するって考え方ね。
参加者
私、コピーライターなんですけど、質問いいですか?コピーの著作権が発生するときに、その権利というのは、コピーライター個人と、広告を採用したクライアントのどちらにあるんですかね?
水野
そうですね。普通は契約で処理される話ですが、ただ何の契約もなければコピーライター、書いた人に著作権があるというのが原則。
山崎
そういう契約ってみんなしてるものなの?
水野
してないことも多いけど、個人のクリエイターも増えてきてて、あとでトラブルになっても嫌だから、ちゃんとやってるところも増えてるね。
山崎
でも何か個人でものを作ってる人とかってさ、立場的にも弱いじゃないですか、やっぱり。何かこう戦おうという意思が出しにくいというかさ。
水野
そのあと仕事こなくなっちゃうかもなって。
山崎
そうそう、いろんなバイアスがかかっちゃうからさ。それって何か、応援する術ってあるんですか?」
水野
うまくつないだね(笑)。実は僕、Arts and Lawというクリエイター向けの無料で相談を受けるNPOの代表をやっておりまして。何かあったときにクリエイターさんとかが相談してくれる、クリエイティブ業界のインフラになるといいなと思っているんですね。今、弁護士が9人ぐらいで交代交代、クリエイターさんから来た相談にメールをベースに答えていくということをまじめにやっています。こういう業界に明るい弁護士がみんなボランティアでやってるんですが、無料の割には非常に質が高いものになってるかなという自負はあります。
山崎
そういうほかの弁護士の方々って普段はどういったことをされているんですか?
水野
クリエイティブ業界の仕事をメインにして食べていけるという人は多くないので、割と普通の一般の民事とか会社の仕事をやりつつ、でも自分はアートとかクリエイティブ、映画、音楽とかが好きだから、少しでも応援したいっていうことでボランティアでやっている感じですね。
山崎
さっきのラジオで話したように、文化とかクリエイティブみたいなものが自分のいわゆる背骨みたいなものとしてあって、やっぱり自分の好きな業界を法律というツールを使って変えていきたいとか、新しく起業したいみたいなところが、みんなやっぱ共通してあるということなんですかね。
水野
まあ、Arts and Lawのメンバーにも色んな人がいるけど、文化とかクリエイティブが好きっていうのは共通していると思う。
山崎
なるほど。本当はもう少し話しを聞きたいんだけど、そろそろ時間ですね。この後また、下にいって飲むので、何か水野さんに聞きたいことがある人はそこでぜひ。本日はありがとうございました。
水野
ありがとうございました。雨の中どうも。
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