銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン銀座四次元ポケットpresents 山﨑晴太郎の銀座トークサロン

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MINI REPORT

2017.07.23

佐藤 信 vol.1

7月23日の文化百貨店。本日のお客様は劇作家・演出家の佐藤信さん。日本の演劇シーンを牽引し続けている大御所にも関わらず、本当に気さくにお話しいただきました。幼少期に子役として芝居をしていたという佐藤さん。中学高校と芝居から距離を置く学生生活を送っていたそうですが、18歳ぐらいの時にレビューの演出家になりたいと思った所から本格的に演劇への道を歩み始めます。

黒テント

そして始めたのが黒テント。小劇場演劇第一世代と呼ばれる、演劇シーン黎明期の伝説の1つとなっている劇団です。小さな劇場を作って、ヒットもしたものの「劇場から出かけていきたい」という発想から誕生したそうですが、劇団が全国を回ると劇場ごとに舞台のサイズなどが変わり、条件が違うことも多いですが、テントだと同じ環境を持っていくので、どこでも同じ芝居ができるという利点もあったのだとか。各地域に押しかけて「ポスター貼ってください」「チケット売ってください」とお願いをして回っていたという黒テント。無茶なお願いにも思えますが、それを手伝ってくれる人たちに恵まれていたようです。また、その頃出会った人たちが日本中にいるのが、最大の財産だと佐藤さんは語ります。

14年ぶりの書き下ろし

14年ぶりに佐藤さんが書いた黒テントの新作が『亡国のダンサー』。「当時しかできなかったこと」と、テントでの旅公演は20年ほどで終了していますが、世代交代をした若い劇団に、久々に芝居を書きたいと書き下ろした作品です。「劇団に芝居を書くのは、他とは違う」と佐藤さん。劇団員の顔も性格も踏まえた上で本を書いていくという事、お客さんが“芝居”ではなく、“劇団”を見に来るという感覚を思い出し、“劇団で芝居を書く”という事の意味を改めて感じたそうです。

演出家とは?

時代によって演出家の役割が変わっているようで、最近まで演出家の役割が強い傾向があったと感じている佐藤さんですが、ご自身のポリシーは「演劇は俳優のもの」今の佐藤さんは、俳優が作ってきたものを観客にどうプレゼンテーションをするのかが演出家の役割だと思うようになったようです。どれだけ演出が良くても、演技がダメなら面白くないし、演出がイマイチでも俳優が良ければ良くなるというのが、佐藤さんの演出のベースになっているとのこと。お父さん(演出家)の下に俳優がいるのではなく、世代ごとに感じているものを相手に合わせるのではなく、意見交換できる関係が良いのではないかとお話しされていました。その言葉を実践するように、ご自身の子供ぐらいの世代である山﨑に対しても、柔らかく接してくださいました。

演劇経験もある山﨑の興味も尽きず、あっという間に閉店のお時間に。。。来週7月30日の放送では、今年6月から佐藤さんが始められた、新しい試みについて、たっぷりお伺いします。

劇作家・演出家

佐藤 信

1943年東京生まれ。黒テント創立メンバーであり現代演劇を代表する劇作・演出家。演劇だけでなく、ダンス、オペラ、人形芝居などさまざまな舞台表現を手がける。2009年まで東京学芸大学教授。スパイラルホール芸術監督、東急Bunkamuraオーチャードホールプロデューサー、世田谷パブリック・シアター劇場術監督などを歴任。現在、座・高円寺芸術監督。2017年6月、横浜・若葉町にアートスペース「WAKABACHO WHARF(ウォーフ)」 をオープン。
最近の主な舞台。『亡国のダンサー』(黒テント/作、演出)、『ピン・ポン』(座・高円寺/作、演出)、ピアノと物語『ジョルジュ』『アメリカンラプソディ』(座・高円寺/演出)、『戦争戯曲集』(座・高円寺/演出)、『HER VOICE』(鴎座/演出)、『絶対飛行機』(北京蓬蒿劇場/作、演出)