2017.05.28
佐藤 佐吉 vol.1
脚本家になるまで
教科書の出版社に就職していた頃に映画のことを話せる仲間がいるだろうと通ったのが、大阪の巨匠・藤本義一さん主宰のシナリオスクール。そこで「なんとなく褒められた」ことが、映画業界に入っていくきっかけになったのだとか。映画業界に入ってからは、サンダンス映画祭に日本のインディペンデント部門を作ったことで新人の発掘がシゴトとなっていた佐藤さん。そんな中で、三池崇史監督や犬童一心監督と出会っていきます。今を時めく監督たちがまだ注目されていない頃に「この人たちを世に出すのは自分の脚本だ!」という思いから、脚本を書くようになったのだそうです。
脚本の書き方
大島弓子さんの漫画が原作、犬童一心監督の『金髪の草原』でデビューした佐藤さん。この作品をはじめ、原作のある作品を手掛けることも多い佐藤さんのポリシーは「本当に面白いと思うものだけ引き受ける」。自分が入り込んだ作品を、愛をこめて削って、できるだけわかりやすい脚本にするという方法で映画の脚本に仕上げていきます。
音楽からインスピレーションを受けることも多いようで、どんなエモーションを出していくのかを考える時、ランダムに音楽を聴いているのだとか。ぴったりなサウンドが出てきた時に、描きたい世界を教えられることがあるので、音楽から作品を作っていくこともあるということでした。
初監督作品
『東京ゾンビ』で監督デビューをした佐藤さん。それまで、脚本家として十分満足する作品を作ってきたけど、笑いの部分で感じた少しのズレが蓄積していた頃に、原作の花くまゆうさくさんとマッサージ屋で知り合ったのがきっかけだったそうです。
監督として作り上げてみて、狙った笑いに落とせたけども、自分の良い所も悪い所も全部出ると感じたのだそう。観客に届く部分とそうでない部分という部分が、はっきりわかったことが、貴重な経験になったということでした。
最近買って良かったモノは
ノートはこだわって買うという佐藤さん。企画ごとにノートを買うそうで、企画に合わせてかなりしっかり選ぶのだとか。同時に進行しているものもあるので、カバンに何冊もノートが入っているそうです。
今週もあっという間に閉店のお時間となりました。来週も佐藤佐吉さんとの対談をお送りします。次回は、あの世界的監督の話題も飛び出します。文化百貨店、次回は6月4日(日)の深夜0時30分に開店します。