2017.06.04
佐藤 佐吉 vol.2
演じるようになったきっかけ
出たいという気持ちはあったけど、役者をやるとは思わなかったという佐藤さん。あるボウリング大会で、今の事務所の社長と一緒になり、社長から「マネジメントしてあげましょうか?」という話をしてもらったことから、思いもよらず俳優業がスタートしました。
キル・ビルへの出演
クエンティン・タランティーノ監督のヒット作『キル・ビル』へ出演している佐藤さん。「出てると思って観てもらうと、めっちゃ出てる!」というほどインパクトがある店主役です。タランティーノ監督が日本人をキャスティングする際に『殺し屋1』をかなり参考にしたようで、その流れで「脚本家にも会いたい」とタランティーノと面談することになったのだとか。佐藤さんは当日、急に呼び出されたので短パン・Tシャツ姿で訪れたところ、タランティーノ監督から「チャーリー・ブラウンに似ていて面白いから、俺の映画に出てくれ」と言われ、北京での撮影に呼ばれることに!!
佐藤さんはご自身の出演シーン以外は、監督の隣について演出を見ていたようですが、そこで目撃したのは「一番、現場で楽しんでいるのがタランティーノ監督」という環境だったのだとか。タランティーノ監督の演出は、とにかく褒める!「うまいね。もっと違うパターンできる?」と、どんどん役者を乗せていくということですが、他の海外の監督も同じようなタイプが多いそうです。キル・ビル以来、自身も褒める演出をしようと思っているということですが、「どうしても怒りが先に…」と佐藤さん。なかなか、自分を変えることは難しいようです。
長編と短編
多くの作品に携わってきた佐藤さん。短い方が色々試しても、やり逃げ出来るのでチャレンジがしやすいと思っているようです。短い方が得意との自己分析もありましたが、その理由は…「そもそも、2時間もかけて語らなければならない事があるのか?」「面白い話があれば、この場で5分ほどで語れる」「長編は責任が大きくて醍醐味はあるけど、面倒くさい」と、文化百貨店の雰囲気に慣れたからなのか、何とも言えない本音!?も飛び出しました。
文化百貨店で扱いたいもの
子どもの頃に本屋さんに行って、わくわくしながら知らない本に出会ってきたので、そういう場所をつくりたいという佐藤さん。村上龍さんの『コインロッカー・ベイビーズ』を高校生の時に読んで、世の中を壊して良いんだって気づいたという、その時の衝動が今でも自分を突き動かしているようで、「映画より本の方が好きかも!?」という、最後に爆弾発言も飛び出した6月4日の文化百貨店でした。
佐藤さんが出演された『破門 ふたりのヤクビョーガミ』のDVDが6月21日にリリース。脚本を務めた西村喜廣監督の問題作『蠱毒 ミートボールマシン』が8月19日に公開とマルチにノンストップで動き続ける佐藤佐吉さんに、良い刺激をいただいた山﨑晴太郎でした。山﨑も初期衝動を思い出して、近いうちに「映画をやりたい」なんて言い出したりするのでしょうか。