2018.04.15
額田大志 vol.1
ミニマルミュージックに出会うまで
お母さまが音楽教室を経営しリトミックを教えているということから、幼少期から音楽が身近にあったという額田さんは、東京藝術大学音楽環境創造科に進学します。 音楽環境創造科では、音響や舞台芸術を始め、電子音楽や打ち込みでの作曲などを学んだと言います。そこでの授業で、ミニマルミュージックと出会い、人力ミニマル楽団「東京塩麹」の結成に繋がっていきます。
ミニマルミュージックとは?
額田さん曰く、ミニマルミュージックは「同じ音を繰り返しながら変化していく音楽」。雑な(!?)、説明をすると『ゴジラのテーマソング』というとわかりやすいでしょうか。 ミニマルミュージックは元々、人が演奏していたものでしたが、最近は打ち込みが入りミニマルテクノと呼ばれるものが増えていると言います。コンピューターだけで完結するものも多くなっている中にも関わらず改めて「人が演奏する」というメッセージを込めたのが、人力ミニマル楽団・東京塩麹ということ。
東京塩麹の結成
一度聴いたら忘れないバンド名・東京塩麹。名前の由来は、たまたまコンビニで塩麹を見かけたからなのだとか。 ずっとバンド活動を続けていた額田さんですが、作曲を学んだことで譜面を作るのが楽しくなってきたそうです。そこで、自らが書いた譜面をかっちり演奏できるバンドを作りたいと思い、ジャズプレイヤーを集めたのが、東京塩麹の結成のきっかけなのだとか。当初は20人の大所帯バンドだったそうですが、スケジュール調整が難しかったことなど様々な理由から、100人ぐらいの入れ替わりを経て、現在の8人態勢に落ち着きました。 昨年8月にリリースしたアルバム『Factory』は、ミニマルミュージックの祖と言われるスティーヴ・ライヒから「素晴らしい生バンド」と絶賛されたという作品。
http://shiokouji.tokyo/shopping/
実は、このアルバムを聞いた山﨑が、ぜひお話しを伺いたいと思い、実現したのが今回の額田さんのご出演なのです。
東京塩麹のスタイル
ミニマルミュージックだけでなく、様々な要素をクロスオーバーしている東京塩麹の音楽。CDショップではジャズコーナーに分類されているそうですが、額田さんはジャンルを聞かれた時には「クラブミュージック」と答えていると言います。 ミニマルミュージックにはクラシック的なものと、テクノのように発展してきたものがあり、テクノのミニマルミュージックを人力で演奏しているバンドが東京塩麹だと考えているので、ジャンルはクラブミュージックだということ。ライブハウスやフェスへの興味も強いという東京塩麹は、“踊れる”という基準を意識して、曲を作ってそうです。
作曲方法
額田さんがすべてのパートを楽譜にし、90%ぐらいまで作り上げ、それをリハーサルで詰めて完成させるというのが東京塩麹の曲づくりの方法。ベースとなる額田さんの作曲は、ポップスで言うサビの部分(盛り上がる箇所)を最初に作り、それを解体して、曲全体を作り上げていくと言います。 ミニマルミュージックをあまり知らない人にも楽しんでもらえるようなポイントを意識的に作って、ただ聞いているだけでも楽しくなるような音楽を狙っているそうです。
といった所で、今回の文化百貨店も閉店のお時間となりました。東京塩麹を中心とした額田さんの作曲家としての一面を伺いましたが、次回は、演出家としての額田さんについて伺っていきます。