2018.03.25
大地 千登勢 vol.2
Midiru Midiru
現在、大地さんが手がけている企画の1つが『Midiru Midiru』という与那国島の織物にまつわるプロジェクト。Midiru Midiruとは与那国の方言で「深海の青々とした青」という意味があるそうで、海が好きで最近は青に惹かれているという大地さんらしいネーミングです。 与那国は八重山諸島の中でもフィリピン文化圏の影響が強いようで、縞模様がステキな織物文化があるのだとか。昔は島の女性のほとんどが織れたそうですが、今は経済的な理由から他の織物に注力しているようで、その伝統と美しさを見つめ直すようなプロジェクトのようです。 与那国の織物は、草木染の木を伐り出し、煮だして、糸を紡いでと全ての工程を1人で行うそうで、膨大な時間と体力が必要になると言います。だからこそ現れてくるパーソナルな部分が、また美しいと大地さんは言います。 また、この地域には女性が愛する人などに思いを込めて手ぬぐい(テサージ)を縫う文化があるそうで、そういった想いを紡いでいくという部分も大地さんが与那国の織物に惹かれていった理由のようです。 現在は、あるコンセプトで島の人に織ってもらっている布があるそうで、大地さんが好きだと言う太陽が昇る前と沈んだ直後に表れるピンクに包まれる時間帯に、その布を持った子供たちに踊ってもらう様子を映像に収めようと準備をしているということで、早ければ今年の秋、遅くとも来年の春までには完成させたいと話してくださいました。
https://www.facebook.com/midirumidiru/
アコヤ真珠のプロジェクト
与那国と並行して長崎でアコヤ真珠のプロジェクトも進行しているという大地さん。先週お話しいただいたSweet Hiradoを見に来てくださった東彼杵郡の役場の方との出会いから始まったというプロジェクト。 長崎と真珠は1300年の歴史があると言い、幕末までは野生の真珠が採れていたと大地さんは言います。乱獲で減ってきた中、長崎の大村湾で初めて真珠を養殖で作り出すようになったそうです。 そんな長崎と縁が深い真珠。現在では「丸くて、大きくて、白い」というのが良しとされていますが、その過程で細胞操作や脱色や着色など、人によって多くの操作がされているようです。大地さんは、真珠は命の恵みなので、命という部分を取り戻していけば新しい価値観を広めていけるのではないかと考えている様子です。 同じく長崎で長く作られているガラスや陶器と真珠を絡めた照明を作るために、今は動いているようで、魏志倭人伝の時代から真珠が輸出されていたというルーツにちなんで、来年4月のミラノサローネでの発表を目標に進めているそうです。
文化百貨店で扱いたいモノ
実際にバイヤーをされていた大地さんに、番組恒例の質問です。今は、匂いをやりたいと思っているようで、Perfumeを揃えた不思議な空間をやってみたいと話してくださいました。 バイタリティ溢れる活動と同時に、発信していくために丹念にリサーチをして、本質を見つけていく大地さんの姿に感銘を受けた2週間でした。
次回は横浜市にある靴修理店、ハドソン靴店2代目の村上塁さんをお迎えします。