2018.04.01
村上 塁 vol.1
ハドソン靴店とは
吉田茂元首相など多くの著名人の靴づくりを手掛けた初代オーナー・佐藤正利さんが1961年に反町で開業したハドソン靴店。現在は村上さんが2代目オーナーとなり靴修理をメインに営業されています。地元のお客さんはもとより、他店で修理を断られた方が全国から集まってきている駆け込み寺のようなお店です。 元々は靴づくりの職人を目指していたという村上さんですが、手仕事の職人を取り巻く環境は厳しく、オーダー靴(ビスポーク)をやっていくのは難しかったと言います。靴に携わることを諦めかけたこともあったそうですが、指導してくれたり支えてくれた人たちに申し訳ない気持ちもあり、靴修理職人として生きていく道を選んだそうです。
靴修理業界
靴づくりと靴修理。似ているように感じますが、全然違う技術が求められるようです。靴 づくりの場合は、同じ材料を同じ製法で均一のクオリティで完成させることが求められますが、同じ靴でもその人の骨格や筋肉、癖などによって消耗具合が変わるので、修理は千差万別。 そして、同じ靴だけを修理するのではないので、専用の部材を調達したり、そのためだけに作ることもあるなど、観察力や知識も必要になるようです。 また、靴修理業界では立地の良い場所で回転させることが重要というのが一般的な流れのようですが、ハドソン靴店では接客を重視。お客さんが納得いくまで受け付けをするというのが村上さんのポリシーで、3時間にわたって接客することも珍しくないそうです。
お客さんの笑顔が最大の喜び
靴修理に舵を切ってから村上さんが意識したというのが、お客さん目線を大切にすること。職人同士で技術を褒め合うような修理ではなく、一般の方が見て納得できる修理をするというのも、心掛けていることだと言います。 お店を始めてから厳しい時期もあったということですが、お客さんに救われて続けてくることができたという村上さん。そんな想いを込めて修理をした靴をお客さんに渡した時に、笑顔になる瞬間を見ると、靴修理をやってきて良かったと感じるということでした。 村上さんに修理をお願いしたい場合、事前に電話やWebから受付の予約を入れてから店舗に来ていただきたいとのこと。
詳しくはハドソン靴店のWebサイトをご覧ください。
http://www.hudsonkutsuten.com/
といった所で、今回の文化百貨店も閉店のお時間となりました。
これからもエンドユーザーのお客さんに評価される仕事をしていきたいという村上さんに、来週も色々と伺います。