2018.02.11
イム・ジョンホ vol.2
最近の仕事
イムさんが昨年末まで関わっていたというのが、星野リゾートの旗艦ブランド・星のやのブランドサイトと、サントリーの山崎蒸溜所のサイト。
星のやブランドサイト
YAMAZAKI MOMENTS
星のやは、クリエイティブディレクター、アートディレクターとして携わり1年がかかりでリニューアル。YAMAZAKI MOMENTSはアートディレクターとして、100人前後のスタッフで作り上げたと言います。 どちらもホームページという規模を超えた、ものすごいサイト。ぜひPCで画面いっぱいにして、ご覧ください。
短ければ3か月、長ければ1年や2年になるプロジェクトもあるというイムさんは、全力疾走の一歩手前ぐらいのスピード感を維持し続けるようなイメージで案件に取り組んでいるのだとか。 このようなサイトは、プロジェクト設計、サイト設計、コンテンツの作成、デザイン・レイアウト、プログラミングという流れで出来上がり、イムさんはすべての工程をチェックしているそうです。その中でも、プロジェクトマネージメント(段取り)の良し悪しが、良いモノを作るためには大事だと考えていると言います。 いいアイデア、いいスタッフがいたとしても、きちんとしたマネージメントができていないと、不効率になったり、時間内にもっと高い次元に行けるのにも関わらず行けなかったりする場合があるので、プロジェクトマネージメントの部分を厳しくチェックしているというイムさんです。
10周年を迎えるmount inc.
そんなイムさんが梅津岳城さんと立ち上げたmount inc.は今年10周年を迎えます。Webの場面場面の美しさやデザインには自分のセンスが働く一方で、仕組みの部分で弱さを感じていたというイムさんが、自分の弱い部分を埋められる人として一緒にやりたいと思ったというのが梅津さんなのだとか。 10年を振り返って、2人で居酒屋で「よくやったよな~」と言いたい気持ちがある反面、移り変わりが速いWeb業界なので、10年間に作ったサイトの中では、今の機器ですんなり見れないものが半分ぐらいになっていて「リセット」という感覚もあると言います。
思い出に残っている仕事
イムさんに思い出に残っている仕事についても伺ってみました。mount inc.立ち上げ当初の仕事で、ターニングポイントにもなったというのが、上海ワールド・フィナンシャル・センターのWebサイト。森ビルからの連絡を受け、2人しか会社にはいないにも関わらず25人ぐらいのチームを組み5カ月がかりで“死ぬ気”で作ったというサイトです。 当時の森稔社長は、イムさんがアートディレクションした写真を社長室に飾り「すべての面においてクオリティが高い」と言っていただけたのだとか。クライントからも世の中のからも良い反応があり、思い入れのある仕事だったとそうです。
上海ワールド・フィナンシャル・センター
文化百貨店で扱いたいもの
番組恒例のこの質問には、「キュレーションを売る」と答えてくださったイムさん。音楽をはじめたとしたカルチャーだったり、洋服など、奥深さや横の広がりが無限にあるものを提案してくれる場所だと言います。 AIで提案するのではなく、そこにいる人と話して、自分の持っていないラインナップからオススメのものが出てくるような場所にしたいと話してくださいました。 人の価値観が変わるものを作りたいという気持ちと、関わっている人たち全員がどの場面でも誇れるものを作っていきたいというイムさんの熱い想いに、一段と意欲が湧いてきた山﨑でした。
といった所で、今回の文化百貨店も閉店となりました。
次回はデザイナーで一級建築士の鈴木一泰さんをお迎えします。