2018.01.14
小島 雄一郎 vol.2
就活本を出版したきっかけ
就職して2年が経った時に、マジシャンである同期が本を出したのを見ていて「本って出せるんだ」と思ったという小島さん。ご自身もこれまでに、『広告のやりかたで就活をやってみた』、『なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか』という本を出版されています。自分で本を出したいと思った時に、就活本を頭に叩き込んで就職活動を一通りやった自負があったということで、就活と広告を学びたての3年目ぐらいまでの感覚についての書籍の企画書を持ちこんで出版に至ったと言います。
今の学生の悩み
就活についての悩みを聞く機会も多いという小島さんは「答えがある前提で動いている」学生が多いと感じているのだとか。自身が質問を受けた際には、答えを言わないようにして、なるべく遠回りするようにアドバイスをしているそうです。また、マニュアル本通りに就活をしていた時にはうまくいかず、自分の言いたいことを言おうと思ってから就活がうまく回り出したという小島さん実体験や、最近の就活事情から、ハイブリッドな学生ほど魅力的だとも言います。軸が1つの人よりも、軸が2つある人の方が人としての幅が広く見えるし、その幅が広ければ広いほど、周りは間を想像してくれるので、結果的に高評価に繋がる可能性が高いのだとか。そういった理由から、今から何かを始めようという学生に対して、持っている軸からなるべく遠い事にチャレンジするように話をすることもあるようです。
若者の感覚
電通若者研究部の一員として、“若者の〇〇離れ”という課題へのリサーチを行っている小島さん。最近では「TVって長くないですか?」という質問に衝撃を受けたそうです。10分程度が多いYouTuberの動画を見慣れている世代にとっては、30分の番組でも長く感じているようで、同じような若者の意見としては「釣りの待ち時間が長い」という意見もあるのだとか。恐らく、世代が若くなればなるほど対価が生まれるまでの時間を短く求めているだろうと推測する小島さん。「何分空けば暇と感じるか」ということを調べ、世代ごとに分析すれば、若い人ほど短くなるのではないかと話してくださいました。
就職活動、そして広告業界の未来
就活について、企業と積極的に交流をして学生時代から慣れさせようという大学と、学問を学ぶ場なので企業との交流は必要がないと考える大学という2極化してきていると小島さんは指摘します。小島さん個人的には、就職してから社会に初めて触れるというのは、あまり良くないと考えている様子で、今後、企業と大学がどんどんシームレスになっていくのではないかと思っているようです。本業の広告の方では、アウトプットが広告だけでなくなってくるのではないかと感じているご様子。広告になる場合もあれば事業の領域かもしれませんが、アイデアがあれば活躍できる場がどんどん広がっていくと考えているとい言います。そんな小島さんは、広告かもしれないしそれ以外かもしれないそうですが、「あれから潮目が変わった」と言われるようなシゴトをやりたいと話します。社会に一石を投じるようなアイデアを世に出したいという小島さんでした。
文化百貨店で扱うとしたら
自らを広告屋と呼ぶ小島さん。広告屋らしく!?タイアップもので、好きだという番組『クレイジージャーニー』とコラボしたブースを出したいと言います。クレイジージャーニーの世界を体験できるブースもしくは、過去の放送をまとめたブースならば文化に対する投げかけができるのではないかと話してくださいました。
といった所で、今回の文化百貨店も閉店となりました。小島さんの話を通じて20代前半の気持ちが少し理解できた気がした山崎晴太郎でした。