2017.10.08
富井 雄太郎 vol.2
国宝・閑谷学校|Timeless Landscapes 1
富井さんを番組にお招きするきっかけが『国宝・閑谷学校|Timeless Landscapes 1』という1冊を山崎が目にしたことから。その1冊の話をお聞きしていきます。
富井さんが写真家の小川重雄さんから、“個人的に作品として撮ってきた写真を本にまとめたい”と相談を受けたところから始まったという企画で、建築・ランドスケープが時間によって変化していく事を表現しようというコンセプトのシリーズ。その第1巻が今年発売されました。建築写真の世界でデジタル写真がメインになって10年ほど経過したことで技術が安定。デジタル技術によって初めて表現できることがあるそうで、現代ならではの新しい建築写真の表現になっている、と言います。一見普通の写真に見えるものでも、様々な工夫や調整がなされているそうです。
そんな1冊を見た山崎は、「写真、装丁、紙の質感、キャプションの置き方など、建築とのズレを多くの写真集に覚えているけど、Timeless Landscapesは、すごい高い次元でまとまっている」と感じたと話します。山崎が感動したという1冊を、ぜひご覧になってください。
「millegraph」Webサイト http://www.millegraph.com/
書籍に対する思い
紙の本がなくなることはないと思うけど、紙でなくて良いとも思うこともあるという富井さん。紙と電子書籍が共存していくと感じながら、手にした人にとって特別なモノになって欲しいとの気持ちを込めてmillegraphでは本を作っていると言います。本も会社も人の寿命よりも残ることができるので、次の時代の人にも繋がるようなものであって欲しいというのが、富井さんのモノづくりに対する思いのようです。
文化百貨店でスペースを持つなら
富井さんが文化百貨店に一角を持つなら「食事ができたり1泊ぐらいできる、売買だけではない場所を作りたい」とのこと。建築という、場所と時間が生み出す魔法を見てきた富井さんらしいスペースが生み出されそうです。
建築と書籍という、人と寄り添いながら長い時間存在しているものを扱っている富井さん。現代のテクノロジーを活用しながらも、独特の世界観を持ったお話しで、あっと言う間にお時間に。建築や書籍への見方が少し変わった2週間でした。