2017.09.10
川上 シュン vol.2
初の作品集『between art and design』
artless craft tea & coffeeで気分転換も兼ねてコーヒーを淹れていることもあるという川上さん。昨年6月に初の作品集『between art and design』を刊行されました。ご自身の立ち位置や作っている作品がアートとデザインの中間だと思っているとのことで、そこから名付けられたという1冊。テーマは“日本独自の美的理念への回帰とデザインとテクノロジーとの融合”。門前仲町の生まれという川上さんは江戸の意識が自分に植え付けられていると感じることもあるようで、日本独自の美意識に興味があると言います。そして、海外で作品を発表したいという想いを実現するために、自分のフィルターを通して出てくる日本・日本人という部分をデザインのスキルとデザインの延長線上にある印刷などのテクノロジーを使って表現しているそうで、「描きたいものは日本画家と一緒」なのだとか。そんな川上さんが、その瞬間に美しいと思っているものの記憶が集められた作品集が『between art and design』。ぜひ一度、ご覧になってください。
DESIGNART
川上さんは今年10月に開催されるデザインとアートの祭典「DESIGNART(デザイナート)」の立ち上げメンバーとして関わっていらっしゃいます。青山、表参道、渋谷、代官山、中目黒、六本木のファッショブランド、インテリアのブティック、レストラン、カフェが参加して、様々な場所でエキシビジョンが実施されるデザイナート。“デザイン+アート”という意味で名付けられたこのイベントは、その名の通りデザイン的要素とアート的要素の両方を持った内容で、メイン会場を作らずに、東京の様々なところを回遊して楽しむスタイルになるそうです。「業界を超えて融合させたい」ということで、10月16日~22日の東京ファッションウィークと同じ時期の開催でコラボレーションを実施。先輩たちがやってきた事を引き継ごうという川上さんの想いがこもったイベントです。第1回の開催をお楽しみに。
「DESINART」Webサイト http://designart.jp/index_jp.html
日本が面白くなっている
川上さんは「日本が強制的にバイリンガル化している」とよく話をしているそうです。その理由は、シンガポールや香港などに行くと、多言語でデザインをしているのが当たり前だったりする中、日本だけが日本語だけでも成立し続けてきたので、変わるべきタイミングが来たと感じているからなのだとか。少し前までは、海外に目が向いていたようですが、今だったら自分がやりたい感覚でやらせてもらえそうなので、日本への興味が尽きないご様子です。
文化百貨店で扱いたいもの
文化を作りたいと思っている川上さん。ギャラリーやカフェをやることで、人の人生に影響を与ることができる場所を作りたいとのこと。デパートで一角をもらえるなら、ポップアップスペースのように、次に来たら違うものを展示しているようなエリアにしたいというお話しでした。そして、川上さんが最期に作りたいものはホテルなのだとか。アマンリゾートのアマンプリに行って、強く思うようになったご様子です。自分が作った場所で、ゆっくりと過ごして、そこに色んな人が来てくれたらなと話していただいた所で、閉店のお時間となりました。
次回は、横浜に移動してから初の女性ゲスト、女優の鈴木杏さんをお迎えします。文化百貨店は毎週日曜日の深夜24時30分に開店です。