2017.09.03
川上 シュン vol.1
仕事の内容
最近はホテルのロゴ、ステーショナリー、サインデザイン、インテリアなどのデザインコンサルティングといった仕事が多いという川上さん。「元々はカッコイイものをデザインしたかっただけ」ということですが、年を重ねるにつれ社会への影響力や経済価値を考えるようなり、MBAホルダーの先輩にレッスンをしてもらい企業家の人たちと同じ言語で語れるように勉強してきたことが、今の案件に繋がっていると言います。企業がデザインに意識を向け始めたと思う反面、経営の話題をすると企業の人は話をすると感じている川上さんと山﨑の2人。今のデザイナーには、経営に関する感覚も求められているのかもしれません。
コンダクター・オブ・デザイン
川上さんの肩書きでひときわ目立つ「コンダクター・オブ・デザイン」という言葉。知人に提案してもらったということですが、ご本人も小澤征爾さんが好きなので、コンダクターという言葉に憧れがあるのだとか。楽器を持たずに音を鳴らしている指揮者のように、デザインの領域で同じようなことをしたいと思って「コンダクター・オブ・デザイン」という定義をしているそうです。実際に外部のパートナーを使うことも多いし好きだという川上さん。プロジェクトごとに、そこに合う人をアサインしていくことが、ほとんどということ。毎回、違う人と仕事をして、自分1人の作品を超えて行くのが楽しいご様子です。
人との作品づくりが好きだという川上さんが、最近1人で手掛けたのが宇多田ヒカルのForevermoreのジャケットデザイン。今回は、直接依頼が来たということで、アシスタントもつけずに制作したとのこと。久しぶりの音楽のシゴトだったということで、「音楽を聴きながらのシゴトは良いなぁ」と改めて感じたのだとか。
artless appointment gallery
茶道具が好きという川上さん。道具が魅力的で、勉強したくて茶器を買ったりしているそうで、買うまでのプロセスも楽しいし学びがあるとい言います。そんな川上さんがのオフィスに併設しているのが、中目黒にあるartless craft tea & coffee。日本茶も扱っているコーヒースタンドです。コーヒーもお茶も川上さんが好きだということで、ブランディングから経営までを行うケーススタディとして行っています。
コーヒースタンドの横ではartless appointment galleryも運営されています。ネットワークを使ってギャラリーをやりたいと思っていたという川上さんの考えを実現した場所で、自分の見たいエキシビジョンを実施する場と言います。平日は予約制で購入したい人向け、週末は一般公開をしていて多くの方に触れてもらえる環境となっています。週末にコーヒーを買ってギャラリー見学。気になる作品があれば、平日にギャラリーの予約を入れて話を聞くというのが、オススメの楽しみ方です。
9月9日から1か月、Kinfolk Japanとのコラボレーション展が実施されます。食がテーマとなった Kinfolkの最新号から、「食/ファッション/アート」という3つの要素が融合した感度の高い写真作品 6点をセレクト。限定オリジナルプリントでの展示販売が行われます。詳しくは、artless appointment galleryのWebサイトをご覧ください。
「artless appointment gallery」Webサイト http://www.artlessgallery.org/
感性の近い方とのお話しということで、あっという間に30分が経ち、閉店のお時間となりました。来週9月10日も引き続き、artless.Inc代表 / アーティスト、コンダクター・オブ・デザインの川上シュンさんにお話しを伺います。