2018.05.27
四方花林 vol.1
フォトグラファーになるまで
現在は、ベルリンを拠点にフォトグラファーとして活躍されている四方さんですが、実は元タカラジェンヌ!高校1年の時に宝塚音楽学校に合格して、宝塚歌劇団に所属したのち、フォトグラファーとして独立した、異色の経歴の持ち主です。
幼少期から絵を描いていたこともあって、歌劇団在籍中も休みのたびに美術館を巡っていたというアート志向だった四方さん。写真を撮られる機会も多かったので「自分なら、こう撮るのに」などと考えているうちに、自分で撮影するようになり、フォトグラファーへの転身を決意したと言います。
被写体との向き合い方
ベルリンでは、ピアニストやバイオリニスト、舞台役者といった表現する人たちを撮る機会が多いという四方さん。アーティストは、自分の表現をより知ってもらうためにポートレートを撮るので、彼らの表現(音楽や舞台)を、しっかりと見て、理解してカメラを向けていくのだとか。
また、ヨーロッパと日本では受ける写真が違うそうで、その辺りも踏まえて、被写体と向き合っているという四方さんです。
カメラへのこだわり
フィルム派という四方さんですが、最近では映像を撮ることもあり、デジタルの使用頻度が高いようです。しかし、腱鞘炎になってからSONYのα6500にCarl Zeissレンズという軽い組み合わせがメインとのこと。
また、作品づくりの時には、Olympusのo-product、NikonのFM2 F3、Diana Mini、写ルンですといったカメラも用意しているのだとか。1カットのためだけに持っていくこともあるようで、その場その場で5台を使い分けて、イメージ通りに撮影しているようです。
テーマの決め方
そんな四方さんは、予めテーマを決めて撮影に臨むタイプだと言います。最近手掛けているコンテンポラリーダンサーとの作品では、テーマ音楽を決めて、そこから撮影しているのだとか。
言葉や近いイメージの写真でテーマを共有するよりも、音楽を通じてお互いの感じ方を理解しながら進めるやり方が、四方さんにとってはやりやすいようです。
また「好きな人しか撮れない」との事で、依頼を受けた仕事でも自分に合わないと思ったら周りの人に紹介してしまうそうで、自分に頼んで良かったと思ってもらえる仕事しか受けないようにしているということでした。
つい買ってしまうもの
最近は、誰かに見せるという意識がない写真が好きという四方さん。ベルリンの蚤の市に出ている誰かのプライベート写真を集めているそうです。東ドイツの時代のものも有るようで、家族以外誰も見ていないだろうという写真を眺めて、他の人の思い出を共有できるのが楽しいということでした。
といった所で、今回の文化百貨店は閉店のお時間となりました。来週も、四方さんにお話しをお伺いします。
本日の選曲
四方花林さんのリクエスト
山崎晴太郎セレクト