2018.06.03
四方花林 vol.2
ベルリンでの創作活動
ベルリンでの生活が3年目に入ったという四方さん。好きな写真家であるWolfgang Tillmansが拠点にしているという理由で、ベルリンに向かったため、何のアテもなく生活を始めたのだとか。しかし、たまたま立ち寄ったカフェでコーヒーを淹れてくれたお爺さんと出会ってから、クリエイターとしてのネットワークが広がっています。
何も知らずに写真を見せていたそのお爺さんは、学校で指導をしているような有名なキュレーター!そのカフェでの展示をさせてもらうと、そこに有名新聞の記者が来て、取材してくれたり、ベルリンのギャラリーでの展示、スペインのアートフェアでの展示に繋がっていったと言います。その話を聞いて、「わらしべ長者みたい」と、四方さんのコミュニケーション力に脱帽といった山崎です。
また、ベルリンでは、ボーっとする時間が出来たので、これまでなら行かなかったような展示会などにも出かけているという四方さん。そこで、見つかるモノが有ったりして、現地での生活を経て、すべてが変わったと言います。4本ほど前から作品を見ている、山崎も四方さんの変身に頷きます。
絵画のような写真
今回、四方さんが帰国されていたのは、日本で『berlin food stylistics』というプロジェクトの展示を行うため。お皿をキャンバスしたアート写真のプロジェクト。シズル感といった現代の食べ物の写真で重要視される部分を削除し、中世の絵画の果物の質感を写真で表現しようとしていると言います。
プロジェクトについては、こちらをどうぞ↓↓↓
https://www.berlinfoodstylistics.com/
元々、絵を描いていたという四方さんは、このプロジェクトを含めて、絵と写真の中間のものを作りたいと試行錯誤しているようです。ポートレートのライティングで食べ物を撮影したり、キャンバスに写真をプリントして、そこに絵具で描いたりと、枠に捉われない作品づくりに取り組んでいるのだとか。その背景には「見え過ぎるのが気持ち悪い」という自身の考え方があるようです。
普段は、見え過ぎないようにコンタクトレンズの度を弱めているという四方さん。最近の写真は現実よりもリアルなモノが増えている気がして、その思いへの反動が理想の色にしたり、不要な所は描かない絵のような写真を目指す要因になっているようです。
文化百貨店で扱いたいもの
番組恒例のこの質問に、「ボヤっとしたカメラを扱いたい」と四方さん。先ほどの話と繋がってくるかもしれませんが、人の目では見えないボヤ~っとした写真が撮れるカメラを扱いたいということでした。
ベルリンとニューヨークのカフェの本を作る、神戸とバルセロナを食で繋ぐ、ニューヨークとロンドンで展示をする、ジョージアに写真を撮りに行く、、、とプロジェクトの動きと同時に創作欲求が尽きない四方さんの話を聞いて、創作意欲が増した山崎でした。
本日の選曲
四方花林さんのリクエスト
Ich Bin Ausländer (Leider Zum Glück) / TORPEDO BOYZ
山崎晴太郎セレクト
THE KÖLN CONCERT ,Part 1 / Keith Jarrett