2017.08.06
柳家 権太楼 vol.1
落語との接点
落語や漫才師の方と知り合いになる機会があったり、先輩が芸人になったりという環境で育ったという権太楼さん。寄席へも子供の頃から、お母さまに連れて行ってもらっていたそうです。そんな英才教育(!?)の影響か、中学生の時には噺家になることを決意していたのだとか。とは言え、「その時にしかできない事だから、見てみたい」という理由で、高校・大学へ進学。その後、柳家つばめさんの下へ入門します。
柳家小さん師匠
入門後、師匠のつばめさんが早世したため、権太楼さんはつばめさんの師匠にあたる5代目柳家小さん師匠の下に引き取られます。「とにかく凄かった」落語会の第一人者で、人間国宝にもなった師匠のことをそう振り返る権太楼さん。噺家さんからすると「神のような存在」である師匠の着物を畳めるうれしさ、一緒に家で食事ができるうれしさを常に感じていたそうです。とは言え、小さん師匠は、あまり笑わず、家ではしゃべらない方だったようで「ずっと怖かった」のだとか。
寄席での出来事
「寄席での失敗談はないんじゃない」と権太楼さん。うけないのは失敗ではなく、そのお客が悪いのだとか。その時の環境が、笑える状態でない時があるのでお客さんのせいという言葉が出てくるようです。寄席では、演者がどんなネタをするのか出ていないので、直前まで決めていない事もあるようです。前の人が演じたネタと同じ系統のものはできなかったり、その時の客層を踏まえて決めたりするので、奥に上がる(出番が後ろ)の人は相当のネタを持っていないといけないとのこと。とは言え、先に出る人は、奥に上がる人の得意なネタをやってはいけないという不文律もあるようで、寄席は芸のクオリティだけではなく、噺家としての立ち回りもチェックされる現場のようです。
といった所で、あっという間に閉店のお時間です。いつも観ている噺家さんを目の前にして、今回は、特等席で寄席を観ている気分の山﨑でした。来週8月13日も柳家権太楼さんのお話しをお届けします。