2017.06.18
藤沢 とおる vol.2
GTOが生まれるまで
湘南純愛組!が30巻近くなった時に、続編の話が出てきたそうで「先生を困らせてきた鬼塚が先生になったら、生徒が困るだろう」という発想から生まれたのがGTO。湘南純愛組!の2人を活かした企画を出して欲しいと編集長から依頼があった中、色々な設定を考えたそうですが、鬼塚1人に絞った方が面白くなるだろうと振り切ったのだとか。GTOの劇中は半年間のストーリーですが、スタートした頃と後半では、登場人物のファッションや持ち物が全然違います。藤沢さんは、コミックスではなく連載をベースに考えているので、時代に応じたリアリティを作品に落とし込むために、意識的に“今”を取り入れてきたのだそうです。
アニメやドラマ、映画とのメディアミックスによって、さらに大きな作品となったGTOですが、派生したメディアが原作に影響を与えた部分もあるのだとか。ドラマで鬼塚が生徒から「鬼っち」と呼ばれるのは、漫画にはなかった部分。ドラマの反響の大きさもあって、漫画の中にも「鬼っち」と呼ばれる場面を入れるようになったのだそうです。
GTO SHONAN 14DAYS
児童養護施設が舞台となったGTOのスピンオフ作品ですが、ご自身が児童養護施設出身ということと、漫画家さん同士で長崎の施設に行ったときに、ご自身の時代は貧困という理由が多かったのが、今は虐待に変わっていたという現実を知り、描いてみようと思ったそうです。解決しきれない話が多いと感じたそうですが、「GTOを使って、こういう世界があるということを知って欲しかった」と藤沢さん。内容やストーリーは派手になっていますが、作品を通じて、そういう問題があるという事を知ってもらいたいという思いを込めて描かれたという作品です。
鬼塚英吉
コレクション癖はないという藤沢さんですが、機能的なモノがお好きだということで、新製品はかなりチェックされているようです。そんな藤沢さんが、今欲しいというのはVRゴーグル。一度体験されたそうですが、すごい没入感があって、そんなにお金をかけていないCGでも中に入り込めると感じたようです。そのVRゴーグルをつけて、バイオハザードをやってみたいと今は思っているというお話しでした。
文化百貨店で扱いたいもの
番組恒例のこの質問には「デパートの屋上展」と藤沢さん。モノではなく展示という意外なお答えです。昔はロープウェイがあったりゾウがいた所もあるなど、子供にとってワンダーランドだったデパートの屋上の面白さを伝えたいということで、メインは昔のデパートの屋上を再現したジオラマや当時の写真を見てもらうことというお話しでした。
新しいことを自分が体験したいタイミングだという藤沢とおる先生。これから出てくる作品にも、ますます目が離せません。ヤングマガジンで連載中の「GTOパラダイスロスト 9巻」が6月に発売。「湘南セブン 10巻」が絶賛発売中ですので、藤沢ワールドに浸ってみてください。
青春をともに過ごした漫画の原作者との2週に渡る対談で、少し若返った気持ちになった山﨑でした。