2018.07.22
燃え殻 vol.1
テレビの美術制作者とラジオの関係
「美術さん」なんて呼ばれるテレビの美術制作が、燃え殻さんの持つ1つ目の顔。ワイドショーなどで使われるフリップや等身大パネルを始め、時にはオープニングのCGも作るという“何でも屋さん”なのだとか。
朝の情報番組の場合、3時~4時が仕事のピークということもあり、空いている編集室で寝ることも多いそうです。そんな時に、燃え殻さんを眠りに誘う存在だったのがラジオ。自分ではない誰かが関係ないことを話しているのを聞いていると安心して眠れたのだそうです。
ツイッターとの出会い
「パスタなう」ぐらいのコミュニケーションが主流だった時代からTwitterを利用している燃え殻さん。きっかけは、仕事先(テレビ美術制作会社)のお客さんですでに利用している方がいて「会社の日報変わりになるかも」みたいな感覚でアカウントを作ったのだそうです。
燃え殻さんのTwitterへのイメージは「深夜ラジオに似ている」のだとか。個人のラジオ局みたいに、好きな事を好きな時間に発信するツールだと認識している様子です。
Twitterを始めた頃は「ラジオの前のあなた」という感覚でつぶやいていたそうですが、現在は22万人ものフォロワーがいるので「Twitterの前のみなさん」という感覚が少し出てきているとも言います。多くの人が目にする可能性が高いだけに、つぶやく内容にも気を遣う所があるのが本音のようです。
フォロワーが増えたことで、Twitterで失われてしまった1対1の関係性を燃え殻さんに取り戻させたのが小説だったとも言います。(ヒット作『ボクたちはみんな大人になれなかった』については、次週詳しくお伺いします)
Twitterの中の自分
「本当に普通の感性を持っていると自負している」という燃え殻さんは、「答えはグラデーションの中にある」と思っていると言います。そして、善悪や白黒をはっきりさせるなど、確信めいた事は嘘っぽく感じているとも。そんな自分と同じ感覚で、世の中に疲れた人たちが、深夜ラジオを聞いているみたいにフォローしてくれて、フォロワーが増えたのではないかと自己分析してくれました。
また、22万人もフォロワーがいると、ほとんどが顔を知らない人たちになります。でも、そのフォロワーと実際に会った時に、Twitter上での“燃え殻”と実際の自分との温度差があまり無いようにしたいと意識しているようです。
昔の深夜ラジオのように友達に話すような感じだけど、嫌われたくないから失礼ではない感じで、本音を吐露するというのが燃え殻さんのツイート術ということでした。
ついコレクションしてしまうモノ
若い頃に「レコード選びが東京の人がやること」と錯覚(⁉)した燃え殻さんは、当時からレコードを集めていたそうです。しかし、自称不器用(針をうまく落とせない)という燃え殻さんはレコードプレーヤーを持たず、かなりのレコードがデッドストック状態でコレクションされているのだとか。
しかし、聞いていないレコードなので、そこまで思い入れもないご様子。「メルカリとかに出したい」と、こだわりとは別のコメントで締めてくださいました。
といった所で、閉店のお時間となりました。来週も燃え殻さんをお迎えして、著書『ボクたちはみんな大人になれなかった』の話などをお伺いしていきます。
今週の選曲
燃え殻さんのリクエスト
フェイバリット / キリンジ
山崎晴太郎セレクト
A Symphony Pathetique / A Winged Victory For The Sullen