2018.08.26
岡部将和 vol.2
ドリブルデザイナーとは?
ドリブルデザイナーとは簡単には「ドリブル専門の指導者」ということですが、より抜けるように選手それぞれの特徴を活かしてデザインしてサポートするのが、岡部さんの仕事だと言います。
ドリブルの際のボールタッチを指導することもあれば、ボールのない時の走り方、ドリブルをチャレンジするための心構えに至るまで、選手によって指導する箇所は様々なようです。「感覚的なことを言語化できるのが強み」という岡部さんは、それを言葉にして伝えています。
ドリブルを磨く上で大事なのは、“自分と向き合うこと”のようで、自分が完璧な動きが出来れば、どんな相手でも抜けるという型を作っていくのが岡部さん指導法。その上で、相手が抜きやすい動きをしてくれたらチャンスが広がるという考え方のようです。
岡部さんがドリブルデザイナーになったのは、東日本大震災の後に見たある記事がきっかけだと言います。あるミュージシャンがリリース前の曲を「自分の音楽はみんなが楽しんだり喜んだりするためにあるから」とYouTubeにアップしたという話に感化され、岡部さんも色んな人のドリブルが良くなったと思いFacebookに動画をアップしたのがスタートだったそうです。
ワールドカップ日本代表選手への指導
ロシアワールドカップ日本代表の乾貴士選手、原口元気選手、宇佐美貴史選手へドリブルの指導を行ったという岡部さんに、3選手へどんなアドバイスを送ったのかお聞きしました。
■乾選手…中に入るドリブルが得意なものの、中を警戒されているので、中への動きが活きるように縦のドリブルを伝えた。
■原口選手…上半身(特に左)が非常に柔らかいので、普通の人より相手と距離が近い所でドリブルをしてもプレッシャーをうまく交わせるので、あえて近くでドリブルをするように伝えた。
■宇佐美選手…イメージと違い凄く頭で考えてプレーする選手だったので、1つ1つ理屈づけて動きを伝えた。
このような話を直接伝えたのだそうです。乾選手、原口選手のワールドカップでのゴールは、まさに岡部さんのアドバイスが活きたような形からでした。感動シーンの裏には、事前にこんなやりとりが隠れていたようです。
子供たちへの指導方法
A代表のようなプロだけでなく、小学校3年生から指導している岡部さん。“楽しむ”ということを常に忘れないようにドリブルを伝えていると言います。年少ほど、自然に楽しめる感覚的な指導を多くしているということですが、ドリブルを通じてチャレンジすることの大切さを伝えたいという岡部さんならではの遊び心が詰まった指導をしている様子です。
そんな風に指導してきた中から、U-15日本代表のプレーヤーも出てきているということで、近い将来、幼少期に岡部さんの指導を受けた選手がA代表のユニフォームを着る日がやってくるかもしれません。
今の岡部さんの目標の1つは、世界で1番ドリブルに挑戦していると感じるメッシやネイマールなどを指導して、サッカー選手としての世界最高の栄誉・バロンドール受賞のお手伝いをすることなのだとか。着実に、夢に近づいている様子の岡部さんでした。
岡部さんが伝えている『99%抜けるドリブル理論』は、こちらのサイトからご覧いただけます。観ているだけでワクワクするような動画を交えて、ドリブルを解説しているので、ぜひご覧ください。
https://ja.dribbledesigner.com/
文化百貨店で扱いたいもの
番組恒例「文化を伝える架空の百貨店でバイヤーとして扱うとしたら?」という質問。岡部さんが扱いたいのは“間合い習得キット”。スポーツの駆け引きで重要となってくる間合いを完璧に扱えるようになったら、スポーツがどんどん面白くなるはずと考えているという岡部さん。
実際に、ご自身で間合い習得キットを作りたいと思っているそうで、完成したらそれを文化百貨店で扱いたいと話してくださいました。
といった所で、今週の文化百貨店は閉店。次回は、ミヅマアートギャラリーのギャラリスト三潴末雄さんをお迎えしてアートな話しをお送りします。次回もお楽しみに!
今週の選曲
岡部さんのリクエスト
いい時間/EVISBEATS
山崎晴太郎セレクト
Empty Room feat. Benny Sings/Yaffle