2018.09.23
蜂谷宗苾 vol.2
最近の活動
家元継承者として志野流の作法を伝えることに留まらず、様々な活動をされている蜂谷さん。最近では、色んな場所や人とコラボをして香りを広めているようです。
例えば、毎年、春と秋にはパリを拠点にヨーロッパ中を周っているそうで、今年はシャンパーニュ地方のランスで現地の人とコラボレーションを行ったり、ジャズシンガーのKeiko Leeさんが歌うビートルズのカバーに合わせて、曲ごとに香りをブレンドしたコンサートなどを行っていると言います。
こういった活動の影響もあるのか、最近では香道を始める若い人も増えているのだとか。香りと向き合うことを重要視しているという蜂谷さんは、“心”を大事にしているそうで、作法に捉われるあまり香りが入ってこないような事にならないように、心の集中を説いてお稽古をつけているそうです。
香道に触れた人たちの反応
「地球を香りでラッピングする」
これが蜂谷さんの目標としていること。そのために、世界中を飛び回っていると言います。日本で育まれた香道という文化ですが、お点前を見ると世界中の人たちが感動してくれるそうで、中には涙を浮かべる方もいるそうです。
地球と繋がって、エネルギーを得た香木が発する香りは、聞く人々の様々な記憶を呼び起こすパワーを持っているようです。東南アジアで採れ、日本流の作法で漂う香りに、国や人種といった垣根が無いことを常々感じている様子の蜂谷さんです。
今後の目標
香道を突き詰めた先にあるモノを見つけるために毎日、お香を聞いているという蜂谷さん。お父様がいまだに朝から晩まで勉強されている様子を見て、まだまだやる事がいっぱいあると感じているようです。
香道の道を一歩一歩進んでいきながら、香りでみんなを笑顔にしたいと話してくださいました。そのために、これまでの香道の枠の中だけではなく、色んな人とのコラボレーションや香りを使ったインスタレーション作品を作ることも考えているという蜂谷さんでした。
文化百貨店で扱いたいモノ
最後に番組恒例の質問にもお答えいただきました。“文化を伝える架空の百貨店でバイヤーとして扱うとしたら?”という質問には、現在、蜂谷さんは蓋を取っただけで簡単に良い香りが漂うプロダクトを制作中ということで、500年の伝統がある志野流の香りをシンプルに愉しめるアイテムを扱いたいと話してくださいました。
といった所で、今回の文化百貨店は閉店となりました。伝統と革新の話を蜂谷さんから、たっぷり伺うことができた2週間。今後の志野流香道と蜂谷さんの動向に、ますます注目したくなるお話しをたっぷり聞かせていただきました。
次回は、義足エンジニア/Xiborg代表取締役社長の遠藤謙さんをお迎えしてお送りします。
今週の選曲
蜂谷さんのリクエスト
Hello / Adele
山崎晴太郎セレクト
63º32’43.7″N 19º43’46.3″W / Sigur Ros