2018.10.28
有馬 大地 vol.1
編集部の仕事
現在は『CREA』の編集長という有馬さんですが、営業部を経て『月刊文藝春秋』『週刊文春』『Title』『Number』などの編集部に在籍してきたというキャリアの持ち主。ここまで幅広いキャリアは業界でも珍しい存在のようです。
雑誌の編集部は、取材をして記事を作っていくのが業務。しかし、書籍の編集部は作家からの原稿を書籍化するのが業務ということで、“編集部”と言ってもアウトプットによって仕事内容が多少違っているようです。
書籍の編集部では、ノンフィクション作品の場合には担当編集者が取材にいって取材原稿を作家に渡したりするケースや、時代物の作品の際には時代考証を調べたりすることもあるそうなので、どちらの編集部でも文章を書く能力やリサーチ力は求められているようです。
意外な人事交流
ここ数年、スクープを連発して“文春砲”とまで言わる『週刊文春』にも在籍していた有馬さん。当時から、定期的にスクープを出していたということで、盛り上がりながらモノを作っている編集部だったと言います。
スクープはどこから情報が洩れるのかわからないので、同じ編集部にいても他の人が何について書いたり調べているか知らないことも多かったのだとか。そのため、発売の前日に自誌のスクープ内容を知るというケースもあったそうです。
そんな『週刊文春』と最も人事の行き来が多いというのが、意外にも『月刊文藝春秋』。どちらもノンフィクションがテーマなので、取材して文章に落とし込むまでの作業に共通した部分があるので、柔軟にシゴトに馴染むことが出来るそうです。
編集長を務めるCREA
2018年の7月に有馬さんが編集長に就任した雑誌が『CREA』。1989年に創刊され、来年30周年を迎える女性向け総合雑誌。30代の知的好奇心にあふれた女性がターゲットということですが、ここ30年での女性像の変化などにも伴い、扱うテーマやスタンスが少しずつ変わりながら続いてきていると言います。
そんな『CREA』は特集主義を掲げている雑誌。旅・グルメ・カルチャーといったテーマの中から、時代の雰囲気をキャッチしながら毎号特集が組まれています。各号ごとの特集テーマは会議で決めるそうですが、マーケットばかり意識するのではなく新しい情報を発信するという部分を残しながら内容を詰めているのが、現在の『CREA』の方向性だと話してくださいました。
女性向け総合誌と言いながら、男性も十分に楽しめる特集も多いので、実は山崎も定期的に購入している『CREA』。今日とは逆で、いつか取材していただける日がくるのでしょうか???
ついコレクションしてしまうモノ
出版社にお勤めということもあってか、本をついつい買ってしまうという有馬さん。小説でもノンフィクションでも、本屋で見てビビビっと来たらレジにダッシュしてしまうという有馬さんでした。
といった所で、今回の文化百貨店も閉店。次回も『CREA』編集長の有馬大地さんをお迎えしてお送りします。
今週の選曲
有馬大地さんのリクエスト
ドアをノックするのは誰だ / 小沢健二
山崎晴太郎セレクト
worthy / San Holo