2018.11.04
有馬 大地 vol.2
『CREA』編集部
有馬さんが編集長を務める『CREA』の編集部は、現在10名。デスク1人と編集部員4人の5人体制で1冊をつくっていると言います。常に2号が同時進行しているイメージでしょうか?
好奇心旺盛で新しいものに興味のある人が集まっているという編集部のキモとなるのは取材力。情報過多とも呼べるこの時代に、新鮮かつ正確な情報を発信するには、取材によるリサーチと信頼できる人からの口コミ情報が欠かせないとのこと。その道に詳しい人のことを下調べして、その方に話を伺い、そこからさらに選別していくような作業を行い、誌面に掲載される情報が決められているそうです。
そんな取材のベースとなるのが、毎号の特集テーマ。『CREA』では編集部員で企画会議をしたのちに、編集長である有馬さんがテーマを決定。そのテーマに応じて、編集者が取材やリサーチに動き出しています。
「半年ぐらい先まで決まっていると良いよね」という有馬さんですが、話しぶりからするとギリギリまでテーマ選びに苦悩している様子が伝わってきました。
編集長のシゴト
責任のあるポストということはイメージできる編集長ですが、実際にはどのような業務がメインなのかも有馬さんにお聞きしました。
メインとなるのは、“雑誌の方向性を決めること”。特集のテーマという大枠を決めることはもちろんですが、「どんなモノを どのぐらいの量で どんな人に届けるのか?」という事をイメージして雑誌を導いていく道先案内人のような存在だと言います。そのために同じ雑誌でも編集長が変わると、印象が変わることがあるようです。
『CREA』の編集長に就任して3か月の有馬さんは、誌面上ではまだ大きく変えたような事はないそうですが、1人の時間の向き合い方が変わったご様子。街中で人が話している内容に、ついつい耳が向いてしまうようになったのだとか。これまで以上に、流行に敏感になっているようです。
雑誌の向かう先
雑誌を取り巻く環境は厳しいと言われる時代ですが、どうやって雑誌という媒体を読んでもらうのかを考えなくてはならないと感じているという有馬さん。SNSで個人が手軽に簡単に情報を発信できるという中、編集者がエディットした情報の信頼性を高めて行く必要があるのではないかと話してくださいました。
雑誌から色んな刺激を受けた世代である山崎も、有馬さんの意見に共感。価値観や世界観に魅力を感じる雑誌だからこその情報との出会いを大切にしたいという2人でした。
文化百貨店で扱いたいモノ
番組恒例の“文化を扱う架空の百貨店でバイヤーをするなら?”という質問に対しての有馬さんのお答えは「書店」。ご自身のセレクトで読んでもらいたい本や雑誌を揃えたコーナーをやってみたいという有馬さんでした。出版社勤務ということで、本に対しての思い入れが強いご様子でした。
そんな有馬さんが自信をもってご紹介してくださったのが、11月7日に発売になった『CREA』12月号。特集は、恒例企画の“贈り物バイブル”。
「贈る人間がうれしい。で、贈られた人間ももらって嬉しいというのは何だろうというのを常に考えて作った」(有馬さん)
という、最新の贈り物事情が手に取るようにわかる1冊です。山崎も毎年楽しみにしている人気の特集をこれからの贈り物の季節にぜひお役立てください!
http://crea.bunshun.jp/articles/-/21126
といった所で、今回の文化百貨店も閉店のお時間となりました。次回は、きものデザイナーの斉藤上太郎さんをお迎えしてお送りします。来週もお楽しみに!
今週の選曲
有馬大地さんのリクエスト
Shape Of You / Ed Sheeran
山崎晴太郎セレクト
Drumming / Kuniko