2019.01.06
杉原 行里 vol.1
医療福祉に携わるきっかけ
学生時代にお父様が病を患い入院しお見舞いに行った際、「もっと病気になりなさいという雰囲気」を病院から感じたという杉原さん。その影響から学生時代には、デザインのプロジェクトで車いすや点滴台などを手掛けていたそうです。
就職してからは仕事に追われ、なかなか医療関係に時間を割けていなかった中、ある松葉杖ユーザーから「自分だけの松葉杖を作って欲しい」とのメールをもらったと言います。そのメールで学生時代の気持ちを思い出し、医療福祉分野のものづくりをスタートさせようと考えた杉原さんは、カーボンの松葉杖制作に乗り出します。
実は、そのメールを受けて相談したのが番組MCの山崎晴太郎。山崎自身が、医療福祉分野の仕事を手掛けるきっかけを作ったのが杉原さんなのです。
杉原さんと山崎が作った松葉杖はこちら↓↓↓
http://culture-dept.com/works/design/medicalture-plus-tsue-matsuba/
HERO Xとは
2017年6月に立ち上がった杉原さんが編集長を務めるWebメディアが『HERO X』。医療、テクノジー、スポーツという3つの柱を健常者や障がい者という見えないボーダーを失くして、ボーダーレスに伝えている注目のメディアです。
それまでは、ものづくりの立場から、先ほどの松葉杖やパラリンピアンのギアなどを手掛けていた杉原さん。その中で、パラスポーツなどに対して“自分ゴト化”していく部分をもっと伝えるべきと考え、自らメディアを立ち上げようと思ったと言います。
スポーツ選手を含めて、「面白い研究をしていえる人たちを定期的にフォーカスしていく」メディアということですが、中でも意識をされているというのが、キービジュアルを探していくということ。取材相手の思いがどこに向けられているのかを、一瞥できるようなビジュアルづくりがHERO Xのキモになっているようです。
そんなHERO Xの編集長として、様々な最新テクノロジーを見聞きしている杉原さんが今注目されているのが、1→10が開発したCYBER SPORTS Project。VRの技術を駆使して、車いすレーサーやボッチャを体験できるというものです。車いすレースやボッチャを“自分ゴト化”できるので、一度、体験するとアスリートの凄さがわかりやすくなるのではと話してくださいました。
HERO X http://hero-x.jp/
HERO Xの今後の展望
今回のお話しの中で、何度も出た“自分ゴト化”という言葉。これをもっと多くの人に感じてもらえるような場を設けて行きたいと杉原さんは言います。自分の家族や周りの人が車いすや松葉杖が必要になった時に「これを使ってみたらどう?」というような会話が生まれるような環境を作っていきたいとのことでした。
最近ハマっていること
昔からレゴが好きだという杉原さん。その楽しみ方は、ただ組み立てるだけではないようです。一度、説明書を見ながら完成させた後にバラして、今度は何も見ないで直感だけで、同じものを完成させるというのが杉原さん流の楽しみ方。
自分自身の凝り固まってきた部分を認識して、頭を柔らかく使うことに役立つようです。レゴをお持ちの方は、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
といった所で、今週の文化百貨店も閉店となりました。次回は杉原さんが代表を務められる株式会社RDSについてのお話しなどを伺っていきます。
今週の選曲
杉原さんのリクエスト
キセキ / Honey L Days
山崎晴太郎セレクト
Klavierstück III / Irmin Schmidt