2018.12.09
栗原 奈緒 vol.1
ランジェリーの魅力を知ったきっかけ
女性の下着メーカーと聞いて、あまり数が浮かばない方が多いと思いますが、それと同じくランジェリーデザイナーの数も少ないようです。大手メーカーの社員ではなく、フリーや自身のブランドでデザインを手掛けている人となると、本当に一握りだと言います。そんな数少ない日本のランジェリーデザイナーの1人が栗原さんです。
栗原さんがランジェリーの魅力に気づいたのは、なんと中学2年生!大人がつけるようなモノではなかったようですが、かわいいランジェリーを着用した自分の姿を見て「キレイ!」と感じたことがランジェリーの魅力を知った原体験だったそうです。
それからは、ランジェリー集めが趣味のようになったようで、海外旅行の際には手軽に買える物から高級品まで、各地のランジェリーを購入して、あれこれ考察するような生活を送っていたのだとか。
ランジェリーブランドを立ち上げる
趣味としてのランジェリーを愉しんでいた栗原さんは、「日本には自信を持って売りたいモノがない」と気づき、23歳でランジェリーデザイナーになる事を決意。そこから、ブランドの立ち上げに繋げるためにマーケティングやブランディングを手掛ける会社でノウハウを積み重ねます。
そして、28歳の時にひと夏の間、ミラノでランジェリーデザインの勉強をし、ナオランジェリーのスタートへと走り出していきます。
冒頭にご紹介した通り、狭い業界のようで、新参者は良くも悪くも注目を集めていたそうで、百貨店の催事では他のブランドがナオランジェリーのその日の売り上げを知っていることもあるなど、“見られている”ことを感じながら良い商品を届けたいと走ってきた、5年間だったようです。
ナオランジェリーの特徴
栗原さんが「自信を持って売れるモノが日本にはない」と感じたのには、日本独自の進化を遂げた下着文化があるようです。着物文化が根強かった戦前の日本では、胸をさらしで圧し潰すようなスッキリ見せる着こなしでしたが、洋服文化に変わって行く中で西洋風のボリューム感を演出する補正色が強くなったのだとか。その事が着け心地の違和感や圧迫感に繋がっていると言います。
少しでも違和感を減らすためにナオランジェリーでは、15サイズの展開だけではなく、“ちょっとしたお直し”で、より着け心地をよくするためのサービスをしていると言います。大手のメーカーでは、なかなか出来ないサービスですが、お直しで着け心地がよくなるようです。
そして、栗原さんが掲げるナオランジェリーのメインコンセプトは“思いやりこそ最も美しいもの”。その言葉を体現する、「社会の前線に出ている時に、お守りになるような言葉」(栗原さん)を各商品に乗せて発表していらっしゃいます。
ナオランジェリーは、銀座の予約制サロンのほか、日本橋三越SC本店に常設されています。他にも催事で全国を廻っているということですので、気になる方はWebサイトからチェックしてみてください。
モノ選びの判断基準
“用の美”を大事にしているという栗原さんが、最近気になっているというのがCadoがリリースしたばかりのドライヤー。風の通りノズル部分が無いという斬新なデザインの商品です。デザインのインパクトだけではなく、速く乾かせるという機能性も備えたアイテムなのだとか。
https://cado.com/jp/bd-e1.html
使い勝手が良くて、かつ新鮮なデザインという商品が気になっているという栗原さんでした。
といった所で、今週の文化百貨店も閉店です。来週も栗原さんに奥深いランジェリーの世界をお伺いしていきます。
今週の選曲
栗原さんのリクエスト
Listen / Beyonce
山崎晴太郎セレクト
Spin / Richard Spaven