2019.01.27
丸山ゴンザレス vol.2
クレイジージャーニーへの出演
ゴンザレスさんの顔と名前を一躍知らしめたと言えるのがテレビ番組『クレイジージャーニー』。人気番組の人気企画がゴンザレスさんの旅という気がしますがが、ご本人によると「自分だけでは救われないとか重たいだけで終わる時もMC陣の受けのお蔭で成立している」とのこと。
番組としてのバランスの良さが、ゴンザレスさんの旅を人気企画へと昇華させたと感じているご様子です。
『クレイジージャーニー』でも世界各地の危険地帯への旅を見せてくれているゴンザレスさんですが、モットーは“パスポートで行ける危険地帯”。政情不安のない地域や大都市でも視点を変えることで炙り出されてくる、危険な場所を切り取っているのだそうです。
危険を感じた出来事
傍から見ていると常に危険な場所へ訪れているイメージのあるゴンザレスさんですが、危ないと思うのは“自然”なんだと言います。都市での取材ならば、交渉やツテを頼ってなど知恵や工夫で乗り切れる可能性があるそうですが、ケニアのヴィクトリア湖で船が壊れて漂流した際に一番「やべぁな」と思ったのだとか。大自然の前では人間は、歯が立たないと感じているようです。
都市では、マフィアカルテルに近い所と接触していても、突然大きな危険がやってくることは無いようで、小さなサインを見落とさないようにすれば危険を回避できるのだとか。基本的には取材のオファーを受けている相手なので、何かの中毒症になっているような状況でなければ、サインを注意深く見ていればこれ以上踏み込めないという部分がわかるので「やべぇ」という状況にはならないそうです。
ゴンザレスさんが感じる“豊かさ”とは
最近では、難民問題について質問される機会もあるというゴンザレスさん。昨今、話題に上る難民問題は世界史の教科書に掲載されるような大きな課題なので、一長一短で解決できるものではないと感じていると言います。その一方で、ヒントはフィリピンで出会った港湾労働者にあるのではないかと考えているご様子です。
ゴンザレスさんが出会ったフィリピンの港湾労働者は、真面目に働く人。給料日が月2回あり比較的浪費する傾向が強いイメージのフィリピンの人にしては珍しく貯金をしているタイプだったと言います。その彼が頑張って働く理由は「娘が大学に行きたいと言った時に、行かせてあげたいから」。港湾労働者の彼が、娘に対して選択肢を用意しようとしている姿に“豊かさ”のヒントがあると感じたそうです。
マフィアやギャングの多い土地で生まれ育った子供は、大きくなったら「銃を持って、強盗して大金を奪う」と答えると言います。これは哀しい話ですが、その環境で成長していく中で、他の選択肢が思いつかないから出てきた答えのようです。そのためには、銃を奪うことではなく、“こういった生き方がある”という選択肢を提示してあげることが重要ではないかとゴンザレスさん。
難民問題についても、一方的に“良い暮らし”を押し付けるのではなく、“どこで暮らす”や“どんな暮らしをする”のかという選択肢を与えて行くことが必要ではないかと話してくださいました。
文化百貨店で扱いたいモノ
番組恒例の“文化を扱う架空の百貨店でバイヤーになったら?”という質問に、本が好きというゴンザレスさんは「世界中の教科書を集める」と回答。人格形成や色んなものの根底になる各国の教科書を並べ比べて、どんな感じで勉強しているのかを感じる一角を作ってみたいとのことでした。
ちなみに、ゴンザレスさんが面白いと思った教育の場面は、ナイジェリアなどのアフリカの国々。母国語ではなく、英語で授業を展開している姿を見て、驚いたとのことでした。
といった所で、今週の文化百貨店は閉店。次回は、パーカッショニストの加藤訓子さんをお迎えします。
今週の選曲
丸山ゴンザレスさんのリクエスト
夜にダンス / フレンズ
山崎晴太郎セレクト
Strange Cities / Lori Scacco