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2019.02.24

塩田 健一 vol.2

カウンターの概念が変わるカフェ
塩田さんによると、全国的にすごい勢いで増えているというカフェですが、その中でも“今っぽい設計”をされているというのが昨年オープンしたスターバックスコーヒーの東京ミッドタウン日比谷店。
最大の特徴は、店に入った瞬間に目に飛び込んでくる大きなL字型のカウンター。そのカウンターが色々の機能を持っていることが、今の商業空間づくりっぽさがあると言います。バリスタがコーヒーを淹れたり、商品のコーヒー豆がディスプレイされている店側の機能もあれば、カウンターを辿ってL字型の裏側に行けばお客さんがコーヒーを飲む場所になっているのだとか。
多くの店舗のカウンターは裏動線を確保するために壁にくっついていますが、このスターバックスコーヒー東京ミッドタウン日比谷店は、カウンターが壁にくっついていないため、カウンターに色んな顔を持たせることが出来たと塩田さんは分析します。ご自身も打ち合わせや原稿を書くのに利用されているカフェだということです。

オススメのホテル3選
続いて、2020年に向けて建設ラッシュが続くホテルから、塩田さんに大きなインパクトを残したホテルを3つご紹介いただきました。

BnA STUDIO秋葉原
昨年誕生した小さなホテルBnA STUDIO秋葉原。特徴は“美術作品の中にそのまま泊まるような体験ができる”という所。各部屋ごとに別々のアーティストや美術家が部屋をプロデュース。部屋自体が、各アーティストの作品のような空間になっていると言います。アート好きな方にはオススメのホテルだということです。

9h ninehours 赤坂
最近出店を増やしているカプセルホテルブランド9h(ナインアワーズ)。その中でも塩田さんが他では味わえない体験をしたというのが赤坂店。通常、ホテルは休む場所なのでクローズドな造りになりますが、ここはガラス張りで開放的なのが特徴。外から中のホテルが見える状態なのだとか。

一見、落ち着かなさそうですが、中からも外が見えるので「この街に泊まっている」という感覚になれたと塩田さんは言います。近年のキーワードとなっている“Site-specific”を体現できる場所ということです。

The WAREHOUSE
3つ目は、羽田空港の多摩川を挟んだ反対側にある川崎キングスカイフロント東急REIホテル、通称:The WAREHOUSE。新築の建物ですが、1階部分は7~8mの天井高を確保した倉庫のような広い空間。そこに、ホテルのチェックインカウンター、ソファーエリア、カフェラウンジ、コワーキングスペース、レストラン、バー、ショップなどがシームレスに混在していて、1つの街になっているのだとか。
用途が決められた場所という形ではなく、そこで誰が何をしても良いという空間の作り方が印象に残ったと話してくださいました。

オフィス空間の今
カフェ、ホテルと並んで『商店建築』の人気コンテンツというのが“オフィス特集”。近年、様々な企業でオフィスをよくする動きが活発なようです。最近、塩田さんが取材された中ではコクヨのオフィスが印象的だったそうです。
1か所は、パーティションのない体育館のような雰囲気の開放的なオフィス。そこから、すぐの場所に、バーぐらいの薄い灯で瞑想ルームを持った、集中力を高める空間という性格の違う2つのオフィスを作っていると言います。両方を作ることで、それぞれを補完していてオフィスワーカーの行動やテンションをデザインしていると感じたのだとか。
オフィスのデザインについては、まだまだ手探りの部分が多いようですが、自社の業態や気質、働き方にフィットさせていくのが重要なので、今後は各会社ごとにオーダーメイドでオフィス空間をつくっていく時代になるのではと考えているとのことでした。

商店建築の使命
商店建築は創刊してから63年間、商業空間のデザインや設計技術という文化を高めることを最大のミッションとして続けていると言います。その結果として、そこに訪れた人が新しい幸せな体験ができるというのが、雑誌としての使命だと塩田さんは感じているご様子です。
そのために、紹介していく店舗のWhyとHow、“なぜこの空間を作ったのか”“どうやって作ったのか”を伝えていきたいと話してくださいました。

文化百貨店で扱いたいもの
番組恒例の“文化を扱う架空の百貨店でバイヤーとして一角を与えられたら?”という質問に対して、塩田さんのお答えは「広い空き地みたいなもの」。
この質問に対して“文化”そのものの本質にまで考えたという塩田さん。文化はどういう状況で生まれるのかと想像していると、余白みたいな時間と場所が膨大にある時という考えにたどり着いたと言います。そこから、文化を売り買いする場所ではなく、これから文化が生まれ育つ場所を作ってみたいと思いついたということでした。
最後まで建築的な空間の思考で答えてくださった塩田さんでした。塩田さんが編集長を務められる『月刊商店建築』については、こちらからご覧ください。
https://www.shotenkenchiku.com/

といった所で、今週の文化百貨店は閉店となります。次回は、スタイリスト、ファッションディレクターの山口壮大さんをお迎えします。

今週の選曲
塩田さんのリクエスト
Get Lucky / Daft Punk

山崎晴太郎セレクト
Night / Ludovico Einaudi

『月刊 商店建築』編集長

塩田健一

月刊 商店建築 編集長
東京生まれ。2006年より「月刊商店建築」編集部に所属。カフェ特集など毎月の店舗取材を担当する他、「コンパクト&コンフォートホテル設計論」「CREATIVE HOTEL & COMMUNICATION SPACE」など増刊号も制作。2017年2月より現職。
「商店建築」は、レストラン、ホテル、ファッションストアなど最新の空間デザインを豊富な写真で国内外に向けて発信する、1956年創刊のストアデザインの専門誌。

月刊 商店建築 編集長
東京生まれ。2006年より「月刊商店建築」編集部に所属。カフェ特集など毎月の店舗取材を担当する他、「コンパクト&コンフォートホテル設計論」「CREATIVE HOTEL & COMMUNICATION SPACE」など増刊号も制作。2017年2月より現職。
「商店建築」は、レストラン、ホテル、ファッションストアなど最新の空間デザインを豊富な写真で国内外に向けて発信する、1956年創刊のストアデザインの専門誌。

2022.03.27 高柳 克弘 vol.2

3月27日の文化百貨店のゲストは先週に引き続き、俳人・俳句雑誌『鷹』編集長の高柳克弘さん。今回は、近著『究極の俳句』と高柳さんご自身の俳句感について伺います。また、5年間に渡る文化百貨店を通じて、MCの山崎晴太郎が感じてきた事についてもお話します。

2022.03.20 高柳 克弘 vol.1

3月20日の文化百貨店にお越しくださったのは、俳人・俳句雑誌『鷹』編集長の高柳克弘さん。番組MCの山崎晴太郎が、かねてから興味を持っていた俳句の世界について、2週に渡って伺います。

2022.03.13 まつゆう* vol.2

3月13日の文化百貨店のゲストは、先週に引き続きコミュニケーション・エヴァンジェリスト/メタバースDJの まつゆう*さん。番組MCの山﨑晴太郎が、今最も興味を持っていると言える“メタバース”の世界について、今週もたっぷり伺います。

2022.03.06 まつゆう* vol.1

3月6日の文化百貨店にお越しくださったのは、コミュニケーション・エヴァンジェリスト/メタバースDJのまつゆう*さん。今回は、まつゆう*さんのこれまでのキャリアを伺いながら、二拠点生活をしているという“メタバース”の世界について伺います。

2022.02.27 こくぼ ひろし vol.2

2月27日の文化百貨店のゲストは先週に引き続き、日本初のソーシャルグッド専門PRエージェンシー ひとしずく株式会社代表でPRコンダクターの こくぼひろしさん。今回は、番組パーソナリティの山崎晴太郎のセイタロウデザインと共同で展開する『もしもラボ』について、2人でお話していきます。

2022.02.20 こくぼ ひろし vol.1

2月20日の文化百貨店のゲストは、日本初のソーシャルグッド専門PRエージェンシー・ひとしずく株式会社代表で、PRコンダクターの こくぼひろしさん。漠然としている“ソーシャルグッド”という言葉の範囲や、こくぼさんの現在の活動について伺います。

2022.02.13 シマダ カツヨシ vol.2

2月13日の文化百貨店のゲストは、先週に引き続き、アクセサリー主治医・鍛造作家・コンセプトデザイナーとして活動されているシマダカツヨシさん。今週は、シマダさんがどんな変遷を経て、現在のような考え方にたどり着いたのかをお聞きします。

2022.02.06 シマダ カツヨシ vol.1

2月6日の文化百貨店のゲストは、アクセサリー主治医・鍛造作家・コンセプトデザイナーという立場から、装身具のサイズ感による悩みを解消するための活動などをされているシマダカツヨシさん。今週は、その活動について伺っていきます。

2022.01.30 大島 新 vol.2

1月最後の放送となった30日の文化百貨店。ゲストは、先週に引き続きドキュメンタリー監督の大島新さん。今週は、ドキュメンタリーのつくり方からお聞きしていきます。

©seitaro design,inc.

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