2019.03.03
山口 壮大 vol.1
自身のショップ・ミキリハッシン
山崎と同じ1982年生まれで、今年37歳になる山口さん。ご自身のショップであるミキリハッシンをすでに14年も続けていらっしゃいます。特に師匠と呼べる存在もいないままファッション業界に入った山口さんは、スタイリストという仕事が“信用商売”であると昔から感じていたということで、「長く続けているのは信用になる」と考えていて、早くから始めようと思っていたのだとか。
元々は古着が好きで“誰が手放して価値がないモノに価値を付ける”所からスタートしたというミキリハッシン。価値のないモノを深掘りしていくうちに、まだ世に出ていないデザイナー(=まだ価値がついていない)にたどり着いたと言います。古着からスタートし、新しいデザイナーのアイテムを扱いながら、常に進化し続けている“熱いマインド”のお店がミキリハッシンということです。
http://house.mikirihassin.co.jp/
山口さんの活動内容
ご自身のショップの運営とスタイリストという所からキャリアをスタートした山口さん。現在は、ファッションを多角的に捉えながら、ユーザーに伝えていくという事をメインに活動されています。
ご自身のミキリハッシンでは、一部のユーザーに伝われば良いというスタンスで展開する一方で、大手の百貨店にやってくる人たち相手に提案するといった業務、さらにはブランドと一緒にイメージを作りそのブランドのアイデンティティをロジカルに伝える事など、「ファッションを媒介に色んな所で、色んな人たちと仕事をしている」というのが今の山口さんのスタイル。
幅広く活動されている源には“色んな所にファッションが宿っている”という山口さんならではの感覚があるようです。“ファッション”が単純に洋服だけに使われることだけではないという考えから、洋服の仕上がりの部分だけではなく、「布や糸の段階からファッションを宿らせることが出来ないのか」という事を実践するために、工場にも通い源流の所からファッションを実践しようとしているそうです。
ファッションを手掛ける人間としてのポリシー
エンドユーザーに近い川下の部分と、製造部分の最初に近い川上の部分の両方を手掛けている山口さん。「作って終わりや、作られたモノを知らずに売って終わりというのは不誠実な気がする」と考えているようで、その結果が、どちらの領域も自分で見聞きして携わっていくという今のスタイルになってきたようです。
デザイナーなどの作り手の思いをきちんとユーザーに届ける“伝言”の役割を、きちんとしたいというのが山口さんのポリシー。若さと勢いで一時的に弾けるのではなく、地道に丁寧に見分を広げながら70歳や80歳になった時に、輝いている人になりたいという山口さんでした。
ついコレクションしてしまうモノ
番組でいつもお聞きしている“ついコレクションしてしまうモノは?”という質問に「マインドが宿っている熱いモノ」と即答した山口さん。
例えばイッセイ・ミヤケの三宅一生さんの布へのこだわりが宿ったパターンの服なんかに、異様に魅かれるということでした。
といった所で、今週の文化百貨店は閉店となります。次回も山口壮大さんに、ファッションを中心としたお話しを伺っています。
今週の選曲
山口さんのリクエスト
ユリイカ / サカナクション
山崎晴太郎セレクト
Coast Off / Helios