2019.04.07
勝田 規央 vol.2
インスピレーションの源
長く中国で活動をされている勝田さん。ご自身が日本人ということもあって、“きちんとしたい”という意識のある方からの依頼が多いようです。良いモノを作りたいという意思のある方との仕事になるので、1の質問に対して、少なくとも5~7ぐらいは返答をして、リスクをきちんと説明することを心掛けていると言います。
そんな勝田さんは、設計コンセプトに重点を置いているという事で、現地または写真で現場を見てから、ポジティブな面とネガティブな面を洗い出し、そこから浮かんできたモノをコンセプトに繋げて行くという手法を取っているそうです。
YOUDAI CAFFEE
去年9月に北京の望京エリアにオープンしたというのが、勝田さんが設計をされたYOUDAI CAFFE。カフェとライブハウスが併設された隠れ家的な場所です。建築士として施工に携わっただけでなく、ライブハウスへの日本人アーティストのブッキングも担当されています。
建築のお仕事とは違ったフィールドに思われますが、勝田さん自身のやりたい事が“繋げる”という事なので、その流れに乗った内容だと感じているようです。オーナーが、世界中のミュージシャンにインタビューしていたという経歴を活かして、坂本龍一さんも演奏に訪れたという場所へ、日本の良いミュージシャンを連れて行くのも、最近のお仕事だと言います。
ちなみに北京では、まだコーヒーを愉しむ文化が浸透しきっていないそうで、こちらのカフェに日本のロースターから取り寄せたコーヒー豆を用意して、文化を繋げるようなこともされているそうです。
YOUDAI CAFFEは、いたってオープンなお店ということなので、北京に行く機会のある方は、ぜひ訪れてみてください。
今後の目標
日本とは文化も風土も違う中国でシゴトをすることで、自分1人では出来ない外的要因から、自分の価値観を拡張できているという勝田さん。そういった部分での自分の成長に、中国での活動の意義を感じていると言います。将来的には、北京から南下をしていきベトナム辺りでの活動が出来ればと考えているご様子です。
そんな勝田さんの目標は、日本と中国それぞれの文化や考え方や面白いモノを、お互いに伝えて行くということ。人・モノ・コトを繋げていくことに、大きなやりがいを感じているということでした。
文化百貨店で扱いたいモノ
ゲストの方へ毎回お聞きしている “文化を扱う架空の百貨店でバイヤーとして扱うとしたら?” という最後の質問には「繋げたいという思いで作られたモノを置くセレクトショップ」と回答。最後まで“繋がる”というご自身の活動におけるポリシーをお話しくださった勝田さんでした。
といった所で今週の文化百貨店も閉店となります。次回は工学院大学理事長・総合研究所教授の後藤治さんをお迎えします。
今週の選曲
勝田さんのリクエスト
カフカ / 松尾優
山崎晴太郎セレクト
Words I Heard / Julia Holter