2020.02.09
田中 杏子 vol.2
個性的な編集部
15人ほどが常駐しているという『Numero TOKYO』の編集部。20代半ばから30代前半の方が多いという若い編集チームのようです。その中は、常に新しいモノを身にまとっている人や、スニーカーやキャップに目が無い人、シャネルが好きな人などなど、個性的でオシャレなスタッフばかりだと言います。
田中さん自身の編集スタイルが“任せる”ということで、自ら考えてやり遂げることが求められるのが『Numero TOKYO』編集部。そのため、若い人たちが育ちやすい環境になっているようです。
結果として、シゴトの出来る人が引き抜かれていくことも少なくないようですが、常に新陳代謝が起きているので、若い世代の感性や感覚、ネットワークを取り込んでいけるメリットを感じているようです。
企画のつくり方
『Numero TOKYO』の特集は、田中さんが編集部員に“今、気になっているコト”などを聞いて回る所からスタートするそうです。そこで、田中さんが目ぼしをつけて、その後にディレクター陣だけを集めたミーティングを実施して、企画の骨子を決めて行きます。
そして、ミーティングで決まった骨子を田中さんが編集部員に一斉にメール。その後の全体会議で、全員が企画に応じたアイデアを出し合うという形で進んでいくそうです。
骨子は田中さんを中心として上の人たちで組みますが、中身に関しては全員で企画を出し合うのがNumero編集部のスタイル。また、企画は目の前の1号だけを進めるのではなく、先の3号ぐらいを並行して進めているそうです。
“雑誌”というメディア
雑誌からファッションに目覚め、雑誌の世界に長く身を置いている田中さん。紙媒体としての『Numero TOKYO』は、ストーリーテリングが重要だと考えているようです。1つ1つの点を俯瞰して見つめながら編んでいき、時代の流れを提案していくのが、雑誌の役割の1つではないかと言います。
そのためには、トレンドを追いかけて消費されるメディアではなく、スタイルに落とし込んで、10年後に見ても「古臭くない」と思われる誌面づくりを心掛けているそうです。
そして、雑誌を通して“考える”という部分を伝えて行きたいとも田中さんは仰います。
-ヴィジュアルや文章を見て、一度自分の頭の中で咀嚼して、それを自分の意見として出していく
そんな行動を促せるのが、雑誌というメディアだと考えていらっしゃる田中さん。紙媒体だからこそ出来る部分、Webだからこそ発揮できるスピード感を理解して使い分けながら、“スタイルのある人生”を提案していきたいと話してくださいました。
文化百貨店で扱いたいモノ
番組の最後でお聞きしている、“文化を扱う百貨店でバイヤーをするなら?”という質問へは「美味しいモノとか楽しいモノなど、心がウキウキするようなモノを扱いたい」とご回答。いつまでも、軽やかに生きていきたいという田中さんでした。
1月28日発売になった『Numero TOKYO』とリンクして、表参道ヒルズのPASS THE BATONで「Numéro TOKYO × PASS THE BATON『いい服、いいこと、いい暮らし』」というイベントが開催中。田中さんを始め、『Numero TOKYO』の関係者が参加し、愛用品とストーリーを展示販売しています。
売り上げの一部がエシカル協会に寄付されるというイベントです。お時間のある方は、ぜひ表参道で田中さんの愛用品とそれにまつわるストーリーをご覧ください。
詳しくは、こちらから
https://www.pass-the-baton.com/news/11326/
といった所で、今週の文化百貨店は閉店となります。次回は、スタイリストの松本智恵子さんをお迎えしてお送りします。
今週の選曲
田中杏子さんのリクエスト
In The Evening / Faye Meana
『Numero TOKYO』2019年12月号の特集「それ、いいね!」で、WAVE/MISTERGENTLEMAN/PARIYAを手がける吉井雄一さんがおすすめする音楽を紹介。そのプレイリストの中からの1曲。
吉井さんのプレイリストが気になる方は、こちらのページをご覧ください。
https://numero.jp/20101219-just-fyi-4/
山﨑晴太郎セレクト
Na Rua Dos Animais / Marcos Sacramento, Carlos Fuchs