2020.04.12
菅原健一 vol.1
マーケティングに携わるまで
ビジネスに関しての質問の前に、菅原さんのキャリアを簡単にご紹介すると、高専で材料工学を学ぶ傍らで、プログラミングを習得し、最初はエンジニアとして就職。その流れで、ガラケー時代のコンテンツプロバイダーとしてコンテンツの配信に携わった後、「人に向き合うシゴトは難しそうだと感じ、10年少し前の31歳の時にマーケティング業界に転職されます。
その頃に山﨑と出会うのですが、それからはSmartNewsでブランド広告責任者やアドテクノロジー企業・スケールアウト(現Supership)でのCMOなどを務め、現在に至る“社会や企業内に存在する「難しい問題を解く」専門家”というのが、菅原さんです。
ビジネス書の選び方
選書コーナーを担当したことがあるほど、多くの本を読んでいる菅原さんに、ビジネスやマーケティングに関する書籍選びのポイントを伺いました。
最近の流行で言えば、“エリートとアート”や“外資系Excel術”といった本が色んな出版社から出され、店頭などに数多く並んでいます。それは、オリジナルがヒットしたので、フォロワーが多くなったことを意味しているようで、そのためオリジナルに触れていない人が増えているのだと言います。
「オリジナルの人は評価されるべき」という菅原さん。オリジナルに触れることで、その概念やテーマのキモの部分を理解することに近づきそうです。
サラリーマン向き、起業向きのタイプ
様々な働き方が生まれている中、自身の働き方を模索している方も少なくないかもしれません。サラリーマンを経て、独立された菅原さんによるとサラリーマンに向いているのは「組織の中で役割を真面目に出来る人」だと言います。
組織の中では、独走する人ばかりでは円滑にいかないケースが出てくるので、調和を重んじられる人が多い方が良いのではないかということです。
一方、起業に向いているのは「本当に必要な事、自分がやりたい事、社会に役立つ事に全精力を注げる人」。バイタリティーと想いに溢れている人が合っているということです。
とは言え、いきなり独立開業しなくても良いのが今の流れだとも言います。副業を解禁する企業が多くなってきているので、“せどり”や“noteでの情報発信”などで、自分のやりたい事を少しずつ実現させ、軌道に乗せていくのも良いのではないかと言います。
特に、インターネットの時代は“超ニッチ”が合っているとのことで、1人で回していくには、10人や100人に届けるぐらいの規模でも十分だということでした。
売上げが上がらない所の共通点
Moonshotで10社から売上げがあり、そのお金を20社に投資し、30社を同時に見ている菅原さん。こんな風に多くの会社を見てきたからこそ見える、成長が止まる企業やプロジェクトの共通点があるようです。それは“お客さんが分かっていない”こと。
Moonshotでは“価値は相手の変化量。価格は価値に準ずる。”という定義で、問題解決に挑んでいるそうですが、多くの会社が、価格から入っていると感じているそうです。そのため“価値”についても、機能面に行きがちで、「お客さんにどんな変化を与えられる」のかという面が疎かになっている所は、なかなか伸びていないのだとか。
これは、個人に置いても同じで、相手に与えられる“変化”が、自分の強みになるとも言います。「いつ感謝されたのか」「どんな人が喜んでくれたのか」を考えてみると、自分の強み、価値が見つけられると話してくださいました。
情報の見極め方
“インプットが大事”などと、よく言われていますが、情報が溢れている現代だからこそ「考える時間が大切」だと菅原さん。人が発信している情報には、その人の体験や置かれている立場が少なからず影響するので、その根本を知ろうとすることで、情報の見極めがしやすくなると言います。
そして、「信じて良いと思える」ことも重要な条件。自分が成長した時には、結果的に返ってくるかを考えれば良いのではないかということでした。
といった所で、今週の文化百貨店は閉店となります。次回も菅原さんに、ビジネスにまつわる考え方のお話しを伺っていきます。
今週の選曲
菅原健一さんのリクエスト
もうええわ / 藤井風