2020.06.21
Salyu vol.1
歌との出会いとデビューまで
お母さまが、“音楽が好きな子”という風に見ていたそうで、ピアノを習いクラシック音楽に触れる幼少期を過ごしたというSalyuさん。体調を崩し入院したことで、医師から肺活量を鍛えるリハビリを勧められ、クラウン少女合唱団に入団。そこで、歌と出会うことになります。
「ピアノを弾いたり、歌を唄うとみんなが喜んでくれた」ということで、自然派性的に歌い手を志していったようで、中学生の頃からオーディションを受けていたと言います。なかなかオーディションに受からず、合唱団とオーディションという生活を送っていた高校時代、友人が出演するライブハウスに遊びに行った所で、その友人の知り合いだったソニーミュージックの育成部の方と出会い、お世話になることになります。
そして、その1年後、Salyuさんの運命を変える小林武史さんとの出会いへと繋がっていきます。
リリイ・シュシュとしての活動へ
ソニーミュージックの方を通じて、小林武史さんと会うことになったSalyuさん。初対面の際に「自分自身で、表現しきれていないと思う。だけど、すごいモノを持っているよ」と可能性を褒めてもらったと言います。そこから、小林さんの事務所に所属し、二人三脚のような形で、シンガーSalyuが動き出していきます。
その出会いから、わずか数か月後に映画『リリイ・シュシュのすべて』の中に登場する、架空のシンガーLily Chou-Chouとしての活動が始まります。その頃のご自身について、クールに振舞おうと意識をしていたようですが、内心では「ついていけるのかな?」と不安な気持ちを抱えながら、環境の変化に対応していく日々だったようです。
“響き”の追求へ
小林武史さんとの制作は、自身はプレーヤーなので、小林さんが上げてくる新作を楽しみに待っているような心境なのだとか。そんな中で、プロジェクトの方向性や楽曲づくりについての面は、小林さんがプロデュースしてくれているので、自身は歌い手として“響き”を追求することに集中できる環境だったと感じているそうです。
響きによる表現を模索するSalyuさんが、現在取り組んでいるというのが、“1人コーラス”とも呼べる自身の声の多重録音による楽曲づくり。合唱団に在籍していた事もあり、コーラスが好きだったというSalyuさん。Salyu×Salyuというコーラスワークのプロジェクトで一緒になった小山田圭吾さんから勧められて、自分の声の多重録音に取り組むようになったと言います。
現在、10曲ほどデモが出来ているそうですが、意外性の連続なのだとか。基本的には、クラシックなどのインスト楽曲を声で表現するものが多いようですが、ピアノだとエキセントリックに感じる楽曲が、声だと全然別の表情を出してくることもあるようです。
そんなSalyuさんの1人コーラスのデモから、まだどこにもリリースされていない『ゴリウォーグのケークウォーク』(ドビュッシー『子供の領分』より)を、放送させていただきました。来週も、Salyuさんの1人コーラスから貴重なデモをオンエアーしますので、お楽しみに!
といった所で、今週の文化百貨店は閉店となります。来週もSalyuさんと共にお送りします。