2020.09.13
來住尚彦 vol.1
アートに魅了されたきっかけ
TBSに入社し、音楽関係のエンジニアなどを経て、赤坂サカスや赤坂Blitzの立ち上げ、企画、プロデュースに携わられて来られた來住さん。赤坂サカスの推進部長をされていた時に、ある企業から「赤坂サカスでアートフェアをやりたい」という話が来たことが、アートとの接点になったと言います。
この話を機に、ロンドンの『Frieze』というアートフェアに視察に行った來住さんは、「面白い!」と感じ、はじめは自身で作品をつくり出展してみたそうです。しかし、「日本にも、Friezeみたいなフェアがあった方が良い」と思うようになり、自身の得意なイベントプロデューサーとして、アートに携わっていくことを決意し、東京アートフェアに繋がっていったそうです。
artTNZ produced by AFT with APCA
音楽、エンターテインメント業界から転身された來住さんが中心となって毎年3月に開催されていた東京アートフェアですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、自粛・中止となってしまいました。
中止から半年となる、この9月に「何かをやらなければならない」という想いで、18日~21日に開催するのが、artTNZ produced by AFT with APCA。TNZは開催地である天王洲の略称です。
東京アートフェアでは、近代・現代の美術がメインとなりますが、artTNZは「コンテポラリーアートだけというシーンをどういう風につくっていくか」というテーマでギャラリーに声がけをして、実現したイベントだと言います。
こちらのイベント、入場者登録の受付が終了してしまいましたが、参加アーティストやギャラリーの情報は下記のサイトからご覧いただけます。
https://arttnz.com/
World Art Tokyo ~SatelliteS~
そして、このartTNZと同じタイミングで、都内各所で行われるのが、World Art Tokyo~SatelliteS~。アートフェアはギャラリーが中心となるイベントですが、こちらはアーティストを主役にしたイベント。各国の在日大使館と連携をし、各国代表のアーティストを紹介するWorld Art Tokyoの派生イベントです。
天王洲のTERRADA Art Complex Ⅱとハレザ池袋パークプラザ、で、10か国11人のアーティストが参加して行われるWorld Art Tokyo~SatelliteS~。多くのアーティストが日本在住で、違うカルチャーが背景にあるからこそ見えた東京を表現している作品もあるようです。
World Art Tokyo~SatelliteS~は観覧無料で、見ることができます。詳しくは、下記の特設サイトをご覧ください。
https://worldart.tokyo/wats/2020_beyond/
今回は、開催が迫っている2つのイベントのお話がメインとなりましたが、來住さんがこのようにアート業界に力を入れているのは、日本のアート市場に「ポテンシャルがある」と感じているからのようです。
アート東京では、毎年アートマーケット市場調査を行っていますが、それによると現在の世界市場が8兆円に対し日本は3000億円なのだとか。しかし、1991年は世界市場3兆円に対して、日本は1兆円の市場だったと言います。
バブル期ということもあったとは言え、かつては世界有数のアートマーケットだった日本。また、その日がやってくるために様々な面で取り組んでいるという來住さんに、来週もお付き合いいただき、アートフェア東京についてなどを伺っています。
今週の選曲
來住尚彦さんセレクト
胡蝶の夢 / Rin’
來住さんがプロデュースされたバンドRin’。楽曲自体も來住さんが書かれた1曲です。
山崎晴太郎のセレクト
Fjarskanistan / amiina