2020.11.01
篠原ともえ vol.2
クリエイティブスタジオ「STUDEO」設立を通しての変化
2013年に松任谷由実さんのコンサート衣装を手がけたことをきっかけに、デザイン関連の仕事が増えてきたという篠原さん。活動していく中で、自分1人でプレゼン資料を様々なソフトを使って制作する大変さを体験したと言います。そんな日々を過ごす中で、アートディレクターの池澤樹さんと出会い、去年ご結婚。今年に入って、アート・デザイン・広告・グラフィックなどを企画するクリエイティブスタジオ・STUDEOをお2人で設立されます。
会社という組織になったことで、社員と一緒に作品をブラッシュアップすることが出来るようになったり、公私ともにパートナーである池澤さんからアドバイスをもらえたりするので、【つくること】が今まで以上に楽しく感じているのだそうです。
そういった環境の変化が影響してなのか、STUDEOを設立してからは、クライアントにとって“今、何が必要なのか?”というのを最初にリサーチしてから、制作に取り組むようになったのだとか。その過程で、クライアントが気づけていない魅力を自身がキャッチして、クリエイティブに反映させるようにしているそうです。
オリジナルテキスタイル「MATERIA」
2018年から全国のイオンモールの手芸専門店パンドラハウスとコラボレーション生地「MATERIA」を企画した篠原さん。「MATERIA」は、ラテン語で生地・素材という意味で、テキスタイルをデザインすることが目標だった篠原さんの夢が叶ったプロジェクトの1つです。
この企画の際もリサーチを行った篠原さん。その結果、手芸系では小さい物を作る人も多いので、細かいリピート柄の生地が多いということに気づいたと言います。そこで、MATERIAでは衣装界ではよく用いられるパネル柄という大きな絵柄の生地なら、カーテンなど大きなものを作る際に良いのではと提案し、実現に至ったのだそうです。
水彩画で“気まぐれなお天気”というテーマのもと、天気の移り変わりを表現というMATERIAの生地。色の再現などが難しかったということですが、生地を購入してくれた人たちが、つくったワンピースやスタイなどをSNSに投稿してくれているのを見て「こんな嬉しいことはない」と感じたのだとか。
現在発売中の柄などは、こちらのURLをご覧ください。
https://www.pandorahouse.net/features/shinoharatomoe.html
篠原ともえ(シノラー)という生き方
歌手・タレントとしてスタートし、現在はファッションやデザインの業界でも活躍中の篠原さんですが、これまで戦略的に仕事をしようと思ったことが無いのだとか。自分が”好き”という気持ち大事にしながら表現をしてきたことが、タレント活動とクリエイティブ活動を繋げる原動力になっているようです。
”好き”という気持ちに素直になることが恥ずかしいという風潮もあるかもしれませんが、「自分の好きなことを言うと変われる。自分のことを否定したくないから、シノラーも大好きという自分でいたい」とのこと。だからこそ、デザインが好きでSTUDEOに入ってきたスタッフには、「やるっきゃない」というチャレンジ精神を持つことの大切さを伝えていると言います。
「洋服を作れるようになるには縫うしかないし、絵が上手になるためには描くしかない」と篠原さん。“好きを言葉にすること”と“アイデアを実現するために努力をすること”が、篠原さんが素敵なキャリアを重ねていっている理由のようでした。
山崎晴太郎とコラボレーションするなら?
NHKの子供番組「みいつけた!」で声優をされていることから、子供たちを応援するお仕事を今後もしていきたいと考えていらっしゃるという篠原さん。山崎とコラボレーションをするなら、幼稚園や子供の遊び場を作りたいと言います。
なぜ遊び場なのかというと、「大きな絵を描きたいから」というのが理由なのだとか。新しい遊具も作ってみたいということでした。
また、「文化百貨店のコンセプト文化を伝える架空の百貨店でバイヤーをするとしたら?」という質問には、モノではなく観覧車を作りたいとご回答。手に取るものよりは、「入ったら幸せ~!」という空間を作りたいとのことでした。
篠原さんのポジティブなエネルギーをたっぷり頂いて、今週の文化百貨店は閉店となります。
来週は手塚治虫の作家性を現代に蘇らせる「TEZUKA2020」プロジェクトで、AI技術の監修をされた、慶應義塾大学理工学部管理工学科教授の栗原聡教授をゲストにお迎えします。
今週の選曲
篠原ともえさんセレクト
A&E/Goldfrapp
山崎晴太郎セレクト
and she was / Carlos Cipa