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2021.07.11

平野啓一郎 vol.2

7月11日の文化百貨店のゲストは、先週に引き続き小説家の平野啓一郎さん。今回は、平野さんの小説への考え方や接し方を中心に伺いました。

新聞とWebの両方で連載をする意味

【山崎】今週は、平野さんの創作面について伺いたいと思うのですが、5月に発売された『本心』は新聞と同時にウェブでも連載をされていたんですね。

【平野】新聞社によって方針が違いますけど、多くの新聞社が基本的には紙媒体に載っているものをデジタルでも載せています。新聞を紙媒体で読んでいる人は、高齢化してきているので「連載を読んでもらおう」と思うと、デジタル媒体に載せないと広がらない。デジタル媒体に載せれば、通勤中の電車で、スマートフォンで読んだりできるので、使う媒体によっては「読んでいる層が違うな」と思いますね。

【山崎】通勤中にスマホで読むのとラウンジチェアで読むのでは、体験や思考の流れも違うじゃないですか?漫画家さんの話だと、媒体適正みたいな話題も出てきますよね。平野さんの連載の場合、媒体は違っても同じものが出てくるので、書き分けをするという事でも無いと思うんですけど……その辺りは意識をされていますか?

【平野】小説はメディア特性にあまり左右されないジャンルのような気がしています。音楽だとイヤホンで聞くためのマスタリングの仕方がありますし、漫画だと縦スクロールが大きな変化として訪れて描き方を根本的に変える気がしますけど、小説の場合は今の所はそこまで大きな違いは無いですね。

ただ、15年前くらいに予想されていたよりも、紙がしぶとく残っていますよね。早い時点でデジタル化されると思ったけど、折ったり書き込んだりできる紙で読む利便性があるんですよね。あと、手に持った時に感触から、どれくらい読んでいて、あと何ページくらい残っているかというのも分かりますし。もちろん、電子書籍でも出来ますけど、紙の方が「しっくりくる」というか……。

【山崎】僕も本は未だに、“紙派”なんですよ。本であるが故のフィクセーションというか……捲ると入ってくる感じとか、意識的な部分って大きいなと思いますね。

【平野】小説に関して言うと、本当に電子書籍が成功しているのはアメリカくらいですよ。ヨーロッパでも中国でさえ、比較にならないくらい紙の方が売れていますね。ただ、子供たちの教科書が全部タブレットになって、そもそもの本を捲る体験が幼少期から減っていくと、電子書籍がスタンダードになっていくかもしれないですね。

【山崎】うちの子供が10歳、6歳、2歳なんどすけど、僕らと全然違うデバイスの捉え方をしている感じはしますね。それで思い出すのが、僕が高校生ぐらいの時に流行った“携帯小説”。すごく簡単な言葉なんだけど、バンバン進んでいくというのは、僕の中でメディアとコンテンツの形が変わった出来事だったんですよね。

【平野】そうですね。あれは、画期的な感じがしましたね。それについて、僕も論じたことがありました。

活動の原動力は「小説に救われた」という想い

【山崎】オフィシャルサイトやSNSといった色んなチャネルを通じて発信をされている平野さんですが、新しくオンラインサロンを立ち上げられましたよね。“世界の文学作品を 1 作ずつ時間をかけて味わっていく「文学の森」”。僕もすごく興味があるんですけど、どういうきっかけで立ち上げられたんですか?

【平野】コロナの影響でリアルな読書会という場所が無くなってしまい、「本が好きだけど語れる場所が無い」や「本を読んでも、語り合う楽しみが無い」という人たちが意外と多いことが分かったんです。これまでに、何度か読書会をした時に、色んな人と出会えて、話しが出来た経験があったので「定期的に、読書会ができる場所を作ってみるのはどうかな?」と考えたのが始まりですね。

【山崎】「文学の森」は、どういうサロンになんですか?

【平野】必ずしも僕の本ばかりではなく、色んな本を読んでいこうと思っています。大人になってから“気の合う友達”を見つけるのは難しいですけど、“読書好き”という事で繋がることが出来ればと。オンラインでやれば、海外に住んでいる「日本語に飢えている人にも楽しんでもらえるな」というくらいの気持ちで始めたんです。

【山崎】僕は、映画も本も基本的には自己簡潔するタイプなので、読書会のイメージが湧かないんですけど、どういう事を喋られるんですか?

【平野】「あの部分を誰かと話してみたい」や「この部分は納得できない」とか、読んでみて気になった事が色々あるんじゃないかと思いますね。僕は田舎育ちですし当時はネットも無かったから、本を読んだり、自分で考えることが基本でしたけど、作家になってから「あの本はどうだった?」というような話しは編集者としたいなと思いますね。評判になっている小説について「どう思います?」とかね。

【山崎】そうか……一回やってみたいな(笑) 

【平野】面白いですよ。「そんな読み方するんだ」とか気付きもあるので。あと、普段接することのない職業の方もいたりするので、そっちに興味が行って、小説を1つのきっかけとして仕事の話を聞いたりだとか。そういう楽しい場所や、コミュニケーションが日常の中に多少は有る方が良いですよね。

【山崎】全部が、固定されちゃいますもんね。様々な活動をされている平野さんですが“小説家”という仕事の 1 番の魅力は何ですか?

【平野】昔は「通勤をしなくていいこと」とか言っていたんですけど、最近はみんな通勤をしなくなっちゃったので、そのメリットを強調する意味は無くなっちゃったんですけどね。

僕は「小説によって救われた」という想いが強くあるんですよ。十代の頃に孤独を感じたり、家族の間に違和感を覚えた時に、小説がすごく“救い”になりました。

あとは、それぞれが思想や考えがあったりしますが、長い人生経験で形成されてきたものだから、簡単には変わらない。小説には、色んな登場人物がいて、具体的な生を通じて悩んだり、苦しんだり、喜んだりしながら、思想を体現していくので、「自分はこうだ」と信じていた事が、小説を読むことで変わるきっかけにもなると思うんですよね。

人が孤独の中で生きていく1つの寄る辺でもあると思うし、自分が新しく更新されていくきっかけにもなる。また読後には、読者用のネットワークもあるので、そういう意味では人が生きていく上で、小説が重要な機能を果たしていることを信じていますね。

【山崎】小説は多くの人にとって、“受け取るもの”だと思うんですよ。平野さんの場合は、その中に居ながらも与えることが出来る人じゃないですか?どちらも出来る人として、小説全体をどう俯瞰してますか?

【平野】オンラインサロンの名前である「文学の森」というのは、元々は作家のボルヘスの言葉なんですよ。世界文学を大きな森に例えていて、色んな植物が生い茂っていて、鳥が鳴いていて、有機的に絡まりながら、成長していく事を言っているんですね。僕は、そのイメージが好きなんですよ。文学作品は、それぞれが孤立して存在しているのでは無くて、過去から現在における色々な作品の影響を受けながら、それぞれの作品が存在しているような世界なんですね。僕も森の中で楽しみながら、そこに1つでも、2つでも「花を咲かせることができれば良いな」というイメージです。

【山崎】最新作の『本心』もですが、平野さんの小説には、まず娯楽として面白さがあって、その先に哲学的な部分や新しい概念に触れていくような印象なんですけど、その辺りのバランスは意識されていますか?

【平野】根本的に、無理強いをすることが嫌なんですよね。本というのは「読みたい」と思わなければ、読まないですし、そう考えると、“面白いストーリーラインが無いと読まない”というのは事実だと思います。

最近は、小説自体をレイヤー構造で捉えています。トップのレイヤーは、面白い物語をエレガントなラインでシンプルに紡ぐことが理想なんです。それで、もう少し深読みしたい人たちの為に、より社会的な問題とか哲学的な問いとか、言葉にならないような何とも言えないものが下層に横たわっているイメージです。そこまでアクセスしたい人はじっくり読んでもらえれば良いですし、2~3読目の時に下りてきたり。“読者がどういう所で楽しみたいか?”によって、「どこのレイヤーが機能するのか?」という造りをかなり意識しています。

【山崎】そのレイヤーは、何層くらいあるんですか?

【平野】そんなに、具体的では無いんですよ。漠然と4~5層くらいのイメージですかね。昔は、計器的に哲学的な問いなど、色んなものを入れて物語を紡いでいたんです。そうすると、作品にとって重要な議論がさし挟まれていても、物語を辿りたいと思っている人には「物語を寸断するもの」として、その議論をネガティブに捉えられるんですよ。それよりもプロットラインだけはシームレスに見えつつ、ちょっとした会話の引用だとか、場面ごとの切り込みがあって、そこから更に下層のレイヤーにアクセスしようと思えばすることが出来る造りを今はしていますね。

文学の森:https://bungakunomori.k-hirano.com/

作家人生の第四期の集大成、『本心』後の構想

【山崎】最後のパートは、ゲストの方みなさんに「僕・山﨑晴太郎とコラボレーションするとしたら、どんな事をしてみたい、もしくは出来ると思いますか?」と伺っているんですが、他ジャンルとコラボレーションする欲望とか面白さみたいなのはありますか?

【平野】原作が映画化されるというのはありますし、音楽家と朗読でコラボをするとか、戯曲を書いて舞台に載せるというのはやりましたね。

【山崎】例えば、音楽や画から小説が始まる形もあるんですかね?

【平野】コラボという枠組みよりも、個人として画にインスピレーションを受けて書いた事はありますね。『透明な迷宮』という短編は、ムンクのエッチングを見て、心が動かされて書いたんですよ。あとは、コミッションワーク的な広告のために、文章を書くこともありますね。“商品の為に書く”という目的があるので、普段はしない発想も出来ますし面白いですね。そういう意味では、“あるコンセプトに沿った物語を書くこと”がお手伝いできることかなと思います。

【山崎】そんなことが実現できるように頑張ります(笑) 小説家にならなかったら、何をしていたと思いますか?

【平野】全く想像が付かないですね。「就職しないと」と真剣に考えた事はありましたけど、それは具体的では無かったので、小説家は本当に僕の性に合っていますよね。他の仕事は、なかなか考え難いというか……。

【山崎】なるべくしてなったというか、天職という感じなんですね。5 月に発売になった『本心』が、「作家人生の第四期の最後になる予感」という話がオフィシャルサイトにありました。次の構想を少し伺えますか?

【平野】まだ具体的になっていないので、短編とかを書きながら考えようと思っています。小説になるかどうかは分かりませんけど、第四期の延長上で言うと、外部環境が分人化に及ぼす影響を「環境問題などにも連続して考えられるな」というのも念頭には置いています。

【山崎】どんな形で出てくるのか、楽しみしています!最後になりますが、改めて『本心』についてご紹介をお願いします。

【平野】『本心』というのは、2040年の日本の近未来を描いた小説で、お母さんを亡くした青年が主人公なんです。なかなか、暗い予想が多い日本社会の未来ですけど、最後には生を強く肯定しながら生きていくという結末に向かう物語になっているはずなので、ぜひ手に取ってみてください。

本心:https://k-hirano.com/honshin

【山崎】僕は本を読む時に、新しいものと古典を点で拾っているんですけど、平野さんと話をしてみて、作家を時系列で追ってみようかなと思いました。当たり前ですけど作家も社会の中で生きているので、その中での思考の変遷や気づきが「こうやって作品に埋め込まれていくんだ」というのが感じられて新鮮でした。

といったところで、今週の文化百貨店は閉店となります。次回は、東京の外苑前にあるMAHO KUBOTA GALLERY にお邪魔をして、代表の久保田真帆さんにお話しを伺います。

今週の選曲

平野啓一郎さんリクエスト
Caribe / Michel Camilo

Spotifyでアーカイブをポッドキャスト配信中

小説家

平野 啓一郎

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。
1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。
以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在した。
美術、音楽にも造詣が深く、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当(2009年~2016年)するなど、幅広いジャンルで批評を執筆。2014年には、国立西洋美術館のゲスト・キュレーターとして「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」展を開催した。同年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
また、各ジャンルのアーティストとのコラボレーションも積極的に行っている。
 
著書に、小説『葬送』、『滴り落ちる時計たちの波紋』、『決壊』、『ドーン』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』、『ある男』等、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』、『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』、『考える葦』、『「カッコいい」とは何か』等がある。
2019年に映画化された『マチネの終わりに』は、現在、累計58万部超のロングセラーとなっている。
 
2019年9月から2020年7月末まで、北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞にて、長編小説『本心』連載。「自由死」が合法化された近未来の日本を舞台に、最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子が、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。2021年5月26日、単行本刊行。
 
長編英訳一作目となった『ある男』英訳『A MAN』に続き、『マチネの終わりに』英訳『At the End of the Matinee』も2021年4月刊行。

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。
1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。
以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在した。
美術、音楽にも造詣が深く、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当(2009年~2016年)するなど、幅広いジャンルで批評を執筆。2014年には、国立西洋美術館のゲスト・キュレーターとして「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」展を開催した。同年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
また、各ジャンルのアーティストとのコラボレーションも積極的に行っている。
 
著書に、小説『葬送』、『滴り落ちる時計たちの波紋』、『決壊』、『ドーン』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』、『ある男』等、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』、『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』、『考える葦』、『「カッコいい」とは何か』等がある。
2019年に映画化された『マチネの終わりに』は、現在、累計58万部超のロングセラーとなっている。
 
2019年9月から2020年7月末まで、北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞にて、長編小説『本心』連載。「自由死」が合法化された近未来の日本を舞台に、最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子が、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。2021年5月26日、単行本刊行。
 
長編英訳一作目となった『ある男』英訳『A MAN』に続き、『マチネの終わりに』英訳『At the End of the Matinee』も2021年4月刊行。

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©seitaro design,inc.

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