2017.07.09
SHOHEI vol.1
ボールペンで描くということ
シゴトをするようになってからボールペンがメインになっていったというSHOHEIさん。イメージを具現化する時に使うツールに影響されるそうです。代名詞とも言えるボールペンについて、「無機質で強弱がつけにくく、消すこともできないので、ストレスが多いツール」と感じているようです。その結果、ピリッとした緊張感のある絵をボールペンで描くようになっているのだとか。ボールペンでシゴトをする限りは、ハイコントラストな作品を描き続けていきそうなご様子です。
海外からの反応
「一時期は世界を意識していたけれども、今は日本に向けての意味合いが強い」とSHOHEIさんは話します。と言いながらも、シニカルな部分を含んでいるようで、“日本人が考える日本の文化と、海外の人が考える日本の文化”の差を作品に出しているようです。SHOHEIさんが好きだという漫画、ゲーム、デコトラ、ヤンキーといった足し算の日本文化が海外での評判が良く、日本が守ろうとしている引き算の文化との温度差を感じているのだとか。しかし、ご自身の好きな日本を描くことで、海外の人が喜んでくれるというのが、創作意欲に繋がっているように話してくださいました。
2月にパリで展示会を行ったSHOHEIさん。日本では考えられない“政治的な話”をしてくる来場者も多かったそうです。マインドの部分を突っ込まれると考えるので、これまで言葉にしなかった自分の考えに気付くこともあり、かなりの刺激を受けたそうです。「海外の人の方がアートに対してビビッていないので、グイグイきてくれる」とのことなので、SHOHEIさんの作品を見た後は、率直に感じたことをお伝えしてみても良さそうですよ。
ギタリストCutsighさんとの共同プロジェクトLOOP
日本で唯一レコードをプレスしている東洋化成の方と、Cutsighさんと3人で飲みながら話していて、「日本でも良いレコードが作れるというのを見せたい」「面白いアルバムを作りたい」「好き勝手にデザインした」というお互いのやりたい事が合致して実現した企画。これまでCDジャケットのデザインも手掛けてきているSHOHEIさんですが、レコードジャケットの大きさは、絵描きとしてかなり魅力的だったのだとか。「宝物にできるレコードを作った」とのことで、今後もライフワークとして取り組んでいかれるかもしれませんね。
「他の国の文化はわからないから、描く題材にならないですね。自信を持って描けるのは、日本のことだから。背伸びしたりカッコつけすぎちゃったものを後で観たくないんですよ。カッコつけるとダサイんですよね。」
終始、自然体でゆったりとした空気感を出していたSHOHEIさん。最後もカッコつけてはいないけれども、トップランナーならではの説得力のある言葉で締めくくってくださいました。